主に徹ちゃんがあほな徹夏



「…」
「…なぁ、夏野よ」
「…」
「夏野ぉ」
「…」
「…なーつのー。なつのなつのなつのー」
「…徹ちゃん、うるさい」

こてん。おれの肩に夏野の頭が凭れて、必然的におれたちの間には沈黙が流れる。夏野は眠るべくしてこうしたのだろうし、ならばおれにもそれを邪魔をする気はないからだ。だって眠れんとか可哀想だし。
が、おれの我慢もあっという間に水の泡。それも夏野が可愛いすぎるのが悪いんだ。おれの肩を借りた夏野は、そのまま大人しく穏やかに寝息を立て始めるのかと思いきや、ごそごそ、すりすりと頭を肩に擦りつけてきたのだ。その仕草はまるで心地よい寝床を探す猫みたいで、おれはひとつ学習するのだった―――あぁ、これが世にいう『萌え』というやつか。

「…夏野」
「なんだよ」
「かわいい。かわいいぞ」
「は?」
「ちゅーしていい?」
「はぁ?」
「だめ?」
「はぁ?」
「…だめ?」
「……………勝手にすれば」



徹 は 萌え を 覚えた!

(〜101130)






「#幼馴染」のBL小説を読む
BL小説 BLove
- ナノ -