九月に入り、随分と秋めいた風を感じるようになったころ、クラスの担任から発表されたのは驚きのスケジュール。国家試験対策として来年の一月からは土日にも授業もしくは補講を行うとのことだった。となれば私は海常の部活に参加できなくなる。元々想定していた期限よりもサポートできる期間が随分と短くなってしまったことに心が痛む。
「…というわけで、私が参加できるのは恐らくウインターカップまでになるかと…」
「ええええええええええええええええ!!!??」
「黄瀬うるせえぞ!」
「え、だって!ウインターカップ終わったら先輩たちもいなくなるし、ナマエさんまで…すっげー寂しいじゃないッスか!!!」
「寂しがってくれるのは嬉しいけどどうにもならないことだから…これから今まで以上に自分の体のケアを自分でできるようにして欲しいの。残りわずかになっちゃうけど、よろしくお願いします」
ぺこりと頭を下げたあと、顔を上げてみんなの顔を見る。ここにきてからたった半年だけど、みんな見違えるようにたくましくなった。体の大きさだけでなく心の成長がそう見せているのかもしれない。
レギュラーメンバーがウインターカップに向けて練習に熱を上げているコートの外で、監督の要望により他の部員にマッサージの指導を行った。今まで全くしていなかったわけではないが、本格的に自分がいなくなったあとのことを見据えてのレクチャー。寂しくないといえばそれは嘘になるが、致し方ないことだと割り切るしかなかった。
「ナマエさん、本当にいなくなんの?」
「そんな突然消えるわけじゃないんだし」
「でもやっぱ寂しいなあ」
「ありがとう、そんな風に言ってもらえて嬉しいよ」
「ま、青峰っちは安心するだろうけど」
「安心?」
「いや、自分の彼女が自分のいないところで自分と同年代の男に囲まれてたら嫌っしょ。実際俺への当たりキツイし」
「確かにね。あんな顔してるくせにヤキモチ焼きだから、なんか可愛いよね」
「可愛い?青峰っちが?そんなこと言うのナマエさんだけッスよ」
部活が終わり駅までの道のりを涼ちゃんと話しながら歩いていると、前方からものすごくガラの悪い大男がやってきた。こんな場所、海常の最寄駅にいるはずのない人。
「ああっ!青峰っち!どうしたんスか!?」
「どうしたもこうしたもねぇよ、迎えにきたんだよナマエを。つかお前近いんだって」
「近い?何がッスか?」
「ナマエとの距離だよ!」
涼ちゃんの隣にいた私の肩をグッと引き寄せて、ぷりぷり怒っている大輝。このあとの予定が待ち遠しくてここまで来てくれたのだろうか。
「青峰っち、久々に会ったんだし一緒にどっか行こうよ!」
「あ?行かねぇよ、誰がお前なんかと」
「ええ!いいじゃないッスか!たまには!」
「俺はお前と違って彼女持ちなんだよ、デートだデート、わかったかひとり身野郎」
「クッソ〜っ!独占欲丸出しかよ」
「悪いか、ナマエさっさと行くぞ」
「涼ちゃんごめん、また来週ね」
「はーい…」
しゅんとしてしまった涼ちゃんを一人置いて行くのには流石に気が引けたが、大輝はこれ以上彼に構うことを許してくれそうになかったので渋々またねと別れを告げた。
「ったく、誕生日デートが聞いて呆れるぜ」
「ったく、誰のせいで誕生日当日にデートができなかったのか忘れてるんじゃないでしょうね」
「……そりゃ悪かったと思ってるよ」
「なーんて、最初からあの日には期待してなかった」
「それはそれでお前冷たすぎだろ」
「大輝がまじめに宿題やるわけないもんね」
「言ったな?来年覚えてろよ」
「言質取ったからね、守ってよ」
「げんち?なんだそれ」
ポカンとする大輝に、ちょっと難しすぎたかなと苦笑いが漏れる。今日は難しいことを考えずに楽しもうと、隣にいる彼の大きな手に指を絡めた。
「…というわけで、私が参加できるのは恐らくウインターカップまでになるかと…」
「ええええええええええええええええ!!!??」
「黄瀬うるせえぞ!」
「え、だって!ウインターカップ終わったら先輩たちもいなくなるし、ナマエさんまで…すっげー寂しいじゃないッスか!!!」
「寂しがってくれるのは嬉しいけどどうにもならないことだから…これから今まで以上に自分の体のケアを自分でできるようにして欲しいの。残りわずかになっちゃうけど、よろしくお願いします」
ぺこりと頭を下げたあと、顔を上げてみんなの顔を見る。ここにきてからたった半年だけど、みんな見違えるようにたくましくなった。体の大きさだけでなく心の成長がそう見せているのかもしれない。
レギュラーメンバーがウインターカップに向けて練習に熱を上げているコートの外で、監督の要望により他の部員にマッサージの指導を行った。今まで全くしていなかったわけではないが、本格的に自分がいなくなったあとのことを見据えてのレクチャー。寂しくないといえばそれは嘘になるが、致し方ないことだと割り切るしかなかった。
「ナマエさん、本当にいなくなんの?」
「そんな突然消えるわけじゃないんだし」
「でもやっぱ寂しいなあ」
「ありがとう、そんな風に言ってもらえて嬉しいよ」
「ま、青峰っちは安心するだろうけど」
「安心?」
「いや、自分の彼女が自分のいないところで自分と同年代の男に囲まれてたら嫌っしょ。実際俺への当たりキツイし」
「確かにね。あんな顔してるくせにヤキモチ焼きだから、なんか可愛いよね」
「可愛い?青峰っちが?そんなこと言うのナマエさんだけッスよ」
部活が終わり駅までの道のりを涼ちゃんと話しながら歩いていると、前方からものすごくガラの悪い大男がやってきた。こんな場所、海常の最寄駅にいるはずのない人。
「ああっ!青峰っち!どうしたんスか!?」
「どうしたもこうしたもねぇよ、迎えにきたんだよナマエを。つかお前近いんだって」
「近い?何がッスか?」
「ナマエとの距離だよ!」
涼ちゃんの隣にいた私の肩をグッと引き寄せて、ぷりぷり怒っている大輝。このあとの予定が待ち遠しくてここまで来てくれたのだろうか。
「青峰っち、久々に会ったんだし一緒にどっか行こうよ!」
「あ?行かねぇよ、誰がお前なんかと」
「ええ!いいじゃないッスか!たまには!」
「俺はお前と違って彼女持ちなんだよ、デートだデート、わかったかひとり身野郎」
「クッソ〜っ!独占欲丸出しかよ」
「悪いか、ナマエさっさと行くぞ」
「涼ちゃんごめん、また来週ね」
「はーい…」
しゅんとしてしまった涼ちゃんを一人置いて行くのには流石に気が引けたが、大輝はこれ以上彼に構うことを許してくれそうになかったので渋々またねと別れを告げた。
「ったく、誕生日デートが聞いて呆れるぜ」
「ったく、誰のせいで誕生日当日にデートができなかったのか忘れてるんじゃないでしょうね」
「……そりゃ悪かったと思ってるよ」
「なーんて、最初からあの日には期待してなかった」
「それはそれでお前冷たすぎだろ」
「大輝がまじめに宿題やるわけないもんね」
「言ったな?来年覚えてろよ」
「言質取ったからね、守ってよ」
「げんち?なんだそれ」
ポカンとする大輝に、ちょっと難しすぎたかなと苦笑いが漏れる。今日は難しいことを考えずに楽しもうと、隣にいる彼の大きな手に指を絡めた。
