「ナマエさ〜〜〜〜んっ!!」
「うわ、声大きいよ!」
「一週間会えなくて寂しかったッス!あれから不審者どうなったッスか…?大丈夫?何もされてない?」
「うん、捕まったよ。だからもう大丈夫」
「良かった〜〜!」
体育館に着くなり抱きついてきた涼ちゃんをいつものように引っぺがそうとしたのだが、真剣に不審者の件を心配されたので申し訳なくなった。私が再びここに来るまでの一週間、本当に心配してくれていたんだろう。
「心配してくれてありがとね、そろそろ離れて」
「いや、あの…ヤバイ」
「え?なに?」
「ここ来てから俺にしか会ってないッスよね?」
「うん、いきなり飛びつかれたから」
「みんなに見つかる前にちょっとこっち来てッス」
「え?なに?」
涼ちゃんは私を抱き締めていた腕を離すとそのまま手を引いて体育館内にある用具室へと向かった。ちょっと待っててくださいッスと言いながらごそごそと救急箱のようなものを漁り、絆創膏を一枚取り出した。
「涼ちゃん?どうしたの?」
「いや…あんま言いたくないんスけど…ここ」
涼ちゃんの細くて綺麗な指が触れたのはうなじよりちょっと下の部分。意味がわからなくて首をかしげるとキスマークついてると言われ一気に顔が赤くなったのが自分でもわかった。
「え!いや、その…嘘?ええと…その…」
「普通にしてたらギリギリ見えないかもしれないけど…俺らみたいなデカイ男に上から見られたら気付くかも」
「ごめんなさい」
「謝らなくてもいいけど彼女いない先輩たちには刺激が強すぎるかなと思って」
ちょっとめくるッスよと私が着ていたTシャツの後ろの襟の部分をクイッと引っ張って、例の部分へ絆創膏を貼ってくれた涼ちゃん。ガラスに映った私に負けず劣らず顔が赤い。
「あの、これ付けたのって青峰っち?」
「あ…うん。そう、かな」
「付き合うことになったんスね」
「お恥ずかしながら…」
「今襟引っ張った時に見えたんすけど、背中のキスマークすげぇッスよ」
「!?」
「ちょっと時間経ってるっぽいけど」
もう恥ずかしくて言葉も出なかった。
…いつの間にそんなに?
「あ、青峰っち怒っちゃダメッスよ?男なら好きな女の子にキスマークつけたいのって当たり前だし…それなりに配慮してるっぽかったし。俺じゃなかったら気づいてないかもだし、ね?」
「…うん」
「そんなに落ち込まないで」
顔の赤み引いてから出てきて下さいッス。笠松先輩にはちょっと具合悪いみたいって伝えとくんで…と涼ちゃんは用具室から先に出て行ってしまった。
ああ…恥ずかしい。でもそれ以上に嬉しいと感じる私はやっぱり浮かれている。
それから、中々赤みの引かない顔をそのままにいつも通りに仕事をこなした。途中何度も三年生に心配されてしまい心の底から申し訳なくなったけれど、具合が悪いわけではなく原因はキスマークだと言えるわけもなく、大丈夫大丈夫と適当に流させてもらった。
部活が終わるまでなんとかやりすごし、終わってすぐ涼ちゃんから遊びに行こうと誘われたがあんなことがあったあと彼といるのはとても恥ずかしかったので丁重にお断りさせてもらった。多分大輝とのあれこれを聞きたかったのだろうけど。
海常から自分の家まで帰る途中にある桐皇の最寄駅。大輝に会いたくて降りてしまいたい衝動に駆られたけれどなんとか気持ちを抑えて電車が通り過ぎるのを待った。
「お、やっと帰ってきた。遅ぇよ」
自宅の扉を開けると、真っ黒なジャージに身を包んだ大輝が当たり前のようにそこにいた。
そっか、鍵は渡したままで…。
「ただいま」
「なにニヤけてんだよ」
「会えると思ってなかったから嬉しくて」
「ほら、こいよ」
ソファにもたれかかって座っている大輝の足の間をポンポンとたたかれ、私は大人しくそこに腰を下ろした。後ろからギューっと力の限りを尽くしたような強さで抱き締められ、少しだけ苦しい。
「はぁ…今日まで長かった」
「たった何日かしか経ってないよ」
「んだよ、お前は違うのかよ」
「そんなわけないよ」
帰りに桐皇の駅で降りようかと思ったことを素直に口にすれば、大輝は照れて、それを誤魔化すように私の首に何度も口付けた。
「んっ、くすぐったい」
「おい変な声出すなよ。勃つだろ」
「もう、そればっかりなんだから」
「健全なこーこーせーだからな」
私のお腹の前で組まれていた手はいつの間にかTシャツの中に入り込んでいて胸をまさぐる。ペシンと手を払うと今度は不貞腐れて。
「ダメなのかよ」
「せめて夜まで待って、ね?」
「ケチだなお前。…ん?これ」
大輝はおもむろに私のTシャツを脱がすと、朝涼ちゃんに貼ってもらった絆創膏をなんの遠慮もなしにバリッと剥いだ。
「いったーっ!!」
「何で絆創膏なんて貼ってんだよ。こんなとこ自分じゃ貼れないだろ」
「ああ、それは涼ちゃんが」
「…黄瀬?」
あ、と思った時にはもう遅くて、不機嫌さを全力で表現してみせた大輝の眉間のしわは恐ろしいほど寄っている。
「ちょ、誤解しないでよ」
「とりあえず説明しろ」
「涼ちゃんからキスマークついてるって言われて、もしかしたら背が高い人が見下ろしたら気付くかもしれないから貼っておいた方がいいよって」
「黄瀬の前でTシャツ脱いだのか」
「まさかそんなわけないでしょ、ちょっと襟を引っ張って貼ってくれただけ」
「(あいつ…背中見やがったな)」
「…大輝?」
「付き合い始めてすぐこれだもんな、先が思いやられるぜ」
「ごめんなさい」
「やっと俺のもんになったのによ…」
「ごめん、許して?」
「じゃあ今すぐセックスさせろ」
「大ちゃん…私の体が目的だったの…?」
「おま、そういう言い方やめろよ!わかったよ!夜まで待つって!」
「へへー、約束ね」
「ったく」
照れて、不貞腐れて、やきもちやいて機嫌が悪くなって、この間私の実家で見せてくれたカッコいい姿はどこへやら。子どもっぽくてもこれが私にだけ見せてくれる姿なのだから嬉しくてニヤケが止まらない。
「大輝」
「んだよ」
大輝の薄い唇に私から唇を寄せた。
一瞬目を見開いた大輝だが、すぐに私の後頭部を抑え込み舌を差し込んで、覚えたての深いキスで返してくれた。
「はぁはぁ…お前こんなんしといてお預けなわけ?」
「うん。大輝が私のこと好きなら我慢してくれるって信じてる」
「悪魔かよお前…」
急に立ち上がった大輝は上半身ブラ一枚の姿の私に自分のジャージをかぶせ、風呂場で抜いてくると言いながらシャワーを浴びに行った。
今夜は大変な目に遭いそうだ。
「うわ、声大きいよ!」
「一週間会えなくて寂しかったッス!あれから不審者どうなったッスか…?大丈夫?何もされてない?」
「うん、捕まったよ。だからもう大丈夫」
「良かった〜〜!」
体育館に着くなり抱きついてきた涼ちゃんをいつものように引っぺがそうとしたのだが、真剣に不審者の件を心配されたので申し訳なくなった。私が再びここに来るまでの一週間、本当に心配してくれていたんだろう。
「心配してくれてありがとね、そろそろ離れて」
「いや、あの…ヤバイ」
「え?なに?」
「ここ来てから俺にしか会ってないッスよね?」
「うん、いきなり飛びつかれたから」
「みんなに見つかる前にちょっとこっち来てッス」
「え?なに?」
涼ちゃんは私を抱き締めていた腕を離すとそのまま手を引いて体育館内にある用具室へと向かった。ちょっと待っててくださいッスと言いながらごそごそと救急箱のようなものを漁り、絆創膏を一枚取り出した。
「涼ちゃん?どうしたの?」
「いや…あんま言いたくないんスけど…ここ」
涼ちゃんの細くて綺麗な指が触れたのはうなじよりちょっと下の部分。意味がわからなくて首をかしげるとキスマークついてると言われ一気に顔が赤くなったのが自分でもわかった。
「え!いや、その…嘘?ええと…その…」
「普通にしてたらギリギリ見えないかもしれないけど…俺らみたいなデカイ男に上から見られたら気付くかも」
「ごめんなさい」
「謝らなくてもいいけど彼女いない先輩たちには刺激が強すぎるかなと思って」
ちょっとめくるッスよと私が着ていたTシャツの後ろの襟の部分をクイッと引っ張って、例の部分へ絆創膏を貼ってくれた涼ちゃん。ガラスに映った私に負けず劣らず顔が赤い。
「あの、これ付けたのって青峰っち?」
「あ…うん。そう、かな」
「付き合うことになったんスね」
「お恥ずかしながら…」
「今襟引っ張った時に見えたんすけど、背中のキスマークすげぇッスよ」
「!?」
「ちょっと時間経ってるっぽいけど」
もう恥ずかしくて言葉も出なかった。
…いつの間にそんなに?
「あ、青峰っち怒っちゃダメッスよ?男なら好きな女の子にキスマークつけたいのって当たり前だし…それなりに配慮してるっぽかったし。俺じゃなかったら気づいてないかもだし、ね?」
「…うん」
「そんなに落ち込まないで」
顔の赤み引いてから出てきて下さいッス。笠松先輩にはちょっと具合悪いみたいって伝えとくんで…と涼ちゃんは用具室から先に出て行ってしまった。
ああ…恥ずかしい。でもそれ以上に嬉しいと感じる私はやっぱり浮かれている。
それから、中々赤みの引かない顔をそのままにいつも通りに仕事をこなした。途中何度も三年生に心配されてしまい心の底から申し訳なくなったけれど、具合が悪いわけではなく原因はキスマークだと言えるわけもなく、大丈夫大丈夫と適当に流させてもらった。
部活が終わるまでなんとかやりすごし、終わってすぐ涼ちゃんから遊びに行こうと誘われたがあんなことがあったあと彼といるのはとても恥ずかしかったので丁重にお断りさせてもらった。多分大輝とのあれこれを聞きたかったのだろうけど。
海常から自分の家まで帰る途中にある桐皇の最寄駅。大輝に会いたくて降りてしまいたい衝動に駆られたけれどなんとか気持ちを抑えて電車が通り過ぎるのを待った。
「お、やっと帰ってきた。遅ぇよ」
自宅の扉を開けると、真っ黒なジャージに身を包んだ大輝が当たり前のようにそこにいた。
そっか、鍵は渡したままで…。
「ただいま」
「なにニヤけてんだよ」
「会えると思ってなかったから嬉しくて」
「ほら、こいよ」
ソファにもたれかかって座っている大輝の足の間をポンポンとたたかれ、私は大人しくそこに腰を下ろした。後ろからギューっと力の限りを尽くしたような強さで抱き締められ、少しだけ苦しい。
「はぁ…今日まで長かった」
「たった何日かしか経ってないよ」
「んだよ、お前は違うのかよ」
「そんなわけないよ」
帰りに桐皇の駅で降りようかと思ったことを素直に口にすれば、大輝は照れて、それを誤魔化すように私の首に何度も口付けた。
「んっ、くすぐったい」
「おい変な声出すなよ。勃つだろ」
「もう、そればっかりなんだから」
「健全なこーこーせーだからな」
私のお腹の前で組まれていた手はいつの間にかTシャツの中に入り込んでいて胸をまさぐる。ペシンと手を払うと今度は不貞腐れて。
「ダメなのかよ」
「せめて夜まで待って、ね?」
「ケチだなお前。…ん?これ」
大輝はおもむろに私のTシャツを脱がすと、朝涼ちゃんに貼ってもらった絆創膏をなんの遠慮もなしにバリッと剥いだ。
「いったーっ!!」
「何で絆創膏なんて貼ってんだよ。こんなとこ自分じゃ貼れないだろ」
「ああ、それは涼ちゃんが」
「…黄瀬?」
あ、と思った時にはもう遅くて、不機嫌さを全力で表現してみせた大輝の眉間のしわは恐ろしいほど寄っている。
「ちょ、誤解しないでよ」
「とりあえず説明しろ」
「涼ちゃんからキスマークついてるって言われて、もしかしたら背が高い人が見下ろしたら気付くかもしれないから貼っておいた方がいいよって」
「黄瀬の前でTシャツ脱いだのか」
「まさかそんなわけないでしょ、ちょっと襟を引っ張って貼ってくれただけ」
「(あいつ…背中見やがったな)」
「…大輝?」
「付き合い始めてすぐこれだもんな、先が思いやられるぜ」
「ごめんなさい」
「やっと俺のもんになったのによ…」
「ごめん、許して?」
「じゃあ今すぐセックスさせろ」
「大ちゃん…私の体が目的だったの…?」
「おま、そういう言い方やめろよ!わかったよ!夜まで待つって!」
「へへー、約束ね」
「ったく」
照れて、不貞腐れて、やきもちやいて機嫌が悪くなって、この間私の実家で見せてくれたカッコいい姿はどこへやら。子どもっぽくてもこれが私にだけ見せてくれる姿なのだから嬉しくてニヤケが止まらない。
「大輝」
「んだよ」
大輝の薄い唇に私から唇を寄せた。
一瞬目を見開いた大輝だが、すぐに私の後頭部を抑え込み舌を差し込んで、覚えたての深いキスで返してくれた。
「はぁはぁ…お前こんなんしといてお預けなわけ?」
「うん。大輝が私のこと好きなら我慢してくれるって信じてる」
「悪魔かよお前…」
急に立ち上がった大輝は上半身ブラ一枚の姿の私に自分のジャージをかぶせ、風呂場で抜いてくると言いながらシャワーを浴びに行った。
今夜は大変な目に遭いそうだ。
