冷たい空気にカカシが目を覚ますと、裸のまま窓辺に佇むナマエの姿が目に入った。
「なにしてんの、風邪引くでしょうが」
「月がね、すごく綺麗でね。すごく悲しい」
「綺麗なのに悲しいの?」
「パパとママが死んだ日みたい」
ああ、確かにあの晩は綺麗な満月だった。
「パパとママが死んで、ナルトと離ればなれになった日」
「うん」
「でも、カカシと新しい生活を始めた日」
「そうだね」
あの当時のカカシはまさかナマエとこんな間柄になるなんて思っても見なかった。あれから十数年。ナマエは驚くほど美しくなった。月明かりに照らされた肢体を見て、美しい以外に彼女を形容する言葉が見つからないほどに。
「ナマエ、風邪ひくよ」
カカシはシーツを羽織って彼女の後ろに立ち、未だ月を眺め続けるナマエを一緒にシーツに包み込んだ。
「あったかーい」
「お前体冷えてるじゃない」
「カカシの体が熱いだけでしょ」
「風邪引いても知らないよ」
「あっ!んんっ……もう!」
夜の寒さのせいか立ち上がっていた胸の先を少しだけ触ると、ナマエが艶かしい声をあげた。
(あんだけガキだったこいつがこんなにいやらしい声を出すようになるなんて…すっかり大人の女になったんだな。)
「ナマエ、あのさ」
「ん?」
いつか、ちゃんと家族になろう、そう言いたかったけど、何と無くまだ早いような気がした。
「もう一回セックスしませんか」
「元気だね」
「まだまだ若い奴らには負けないよ」
「ふふ、いいよ、大好きだから」
振り向いたナマエの顔は、さっきまでの寂しそうな顔ではなく、少し吹っ切れたような笑顔だった。