今日は珍しく任務も入っておらず、ナマエは暇を持て余していた。それは目の前にいるイタチも同じのようで、ボーッとアカデミーの方を眺めている。

「ねえイタチ」
「ナマエさん、どうしました」
「ちょっと甘いもの食べに行こうよ」
「え、俺で良いんですか?」
「イタチがいいの。カカシは甘いもの苦手だから付き合ってくれないし」
「隊長にも苦手があるんですね」
「甘いものと天ぷら。覚えておくといいよ。何かあったら嫌がらせできるでしょ」
「ハハ、そんなことしませんよ」

ふたりは他愛ない話をしながら甘味処へ向かった。
イタチとは気兼ねなく弟の話で盛り上がることができるから、ナマエは彼と過ごす時間は好きだった。幼いころに戦争を経験したからこそ、平和を愛し、泰平の世を望む彼は誰よりも優しかった。

甘味処にたどり着き、ナマエが何を頼む?と聞くとイタチはあんみつにしますと答えた。ナマエも同じものを注文し、ふたりは運ばれてきたカラフルなあんみつに心を躍らせ顔を綻ばせた。

「ナマエさんは九尾事件のときに両親を失ったんですよね」
「うん。里を守るために仕方なかったんだと思ってる」
「四代目火影はとても強かったと聞きます」
「それだけじゃなくて、とっても優しい人だったよ」
「親を失うのは…辛いですか」
「つらい。でも私には頼れる人がたくさんいるし、こうやって話を聞いてくれるイタチがいるでしょ?だから寂しくはないよ」
「俺なんかでも貴方の役に立っているんですか?」
「うん!みんな私が弟の話をすると怒るからね。怒らないで聞いてくれるイタチは好きよ」
「好き、か」

それからしばらく話を続けていたが、アカデミー帰りのサスケがイタチを発見したことによりこの会はお開きとなった。

「兄さん!今日は手裏剣の修行に付き合ってよ!」
「ああ、そうだな」
「この人誰?」
「この人はナマエさん、俺の先輩だ。とても優しい人だから何かあったら頼るといい。」
「サスケ、よろしくね」

ナマエがそう言ってサスケに右手を差し出すと、彼は恥ずかしそうにイタチの後ろに隠れてしまった。

「少し、人見知りするんです」
「かわいいね」
「かわいくなんかない!」
「あ、怒らせちゃったかな、ごめんね。なんだか二人目の弟ができたみたいで嬉しくてつい、」
「ナマエさん、サスケを可愛がってやってください」
「ん!まかせなさい!」

ナマエがそう言うと、イタチはニッコリと笑ってサスケと共に帰って行った。兄弟か…、とナマエは彼らの関係が羨ましくなった。

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