「ナマエー、ママ病院に行くんだけどお留守番する?一緒に行く?」
「一緒にいく!」
「よし!じゃあいこ!」

母と娘は仲良く手を繋いで病院へ向かう。
クシナはここ最近なんとなく体調が優れず、モヤモヤっとした気分が晴れないのである。なんとも無ければいいんだけど、という不安を隠して娘に笑顔を向けた。

「おめでとう、妊娠よ。予定日は十月ね」
「え?」
「ママ?どうしたの?」
「あ、あなた!お姉ちゃんになるんだってばね!」
「おねえちゃん?」
「赤ちゃんができてたってばね!!」

教え子を亡くし、四代目火影を仰せつかり、毎日多忙を極め心身共に疲労していたミナトにとって嬉しいニュースになればいい。クシナは心からそう思った。

「ミナト、私赤ちゃんができたの!」
「え…………?」
「ナマエがお姉ちゃんになるんだってばね!」
「本当かい!?すごいよクシナ!おめでとう!!」

それから時間は流れ、クシナのお腹も随分と大きくなってきた。ナマエはアカデミーが終わるとまっすぐ家に帰ってきてはずっと彼女のお腹を気にしている。

(ふふ、かわいすぎるってばね。)

「ママ、お腹さわっていい?」
「んー?ほらおいで」
「あ、いまポンって、」
「蹴ったわね」
「私のこと嫌いなの?」
「そんなことないわ、元気が有り余ってるの」
「ママみたいに?」
「んー、そうね」
「ナルトっていうんだよね」
「そうそう。あなたが大好きなじーじが考えてくれた名前よ。ナルトと仲良くしてね」
「うん!」

何気ない会話だけど、彼女は今とても幸せだった。

しかしクシナは自身の出産にとても大きなリスクが伴っていることを知っている。

……もしかすると、ナマエとお腹の中にいるナルトと過ごせる時間もあと少しになってしまうかも知れない。そう考えると、とてもやるせなかった。
初めてナマエに出会った日からクシナは親になった。突然のことで何が何だかわからないこともあったけど、ナマエは順調に大きくなって、もうすぐお姉ちゃんになる。ナマエとナルト、この二人の成長を見守ることが出来るのだろうか。

「……ママ?」
「さ、夜ご飯作ろっか!手伝ってくれる?」
「うん!」

ナマエはきっとナルトが生まれる前にアカデミーを卒業する。忍として生きていくナマエだけど、将来ナマエがミナトのような素敵な人に出会えますように、そう願わずにはいられなかった。

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