『あっついよ柔造ー』 「んな暑い暑い言うなや。余計暑なる…」 昨晩、部屋のクーラーが壊れ、現在窓を全開にして団扇で扇いでいる2人。しかし、いくら団扇で扇いでも生暖かい風しか感じず、それもあまり意味を成さない。電気屋は今が商売盛んな時期で忙しく、明日までは直しに来れないらしい。 柔造の家に来るまでに買ってきたアイスも、とっくに2人の口の中に消え、柔造が冷蔵庫から取り出してきた麦茶も温くなり飲む気がしない。 暑い暑い、とパンツは畳にべたーっと寝そべった。 「……!」 柔造は寝ている彼女を思わず凝視する。 新しく新調したという淡い青色のワンピースから覗く白い脚から目が離せなくなったのだ。 こんな真っ昼間から自分は何を考えているんだ。今日は家族が家をあけ、久しぶりの休暇が取れたから彼女を呼んだだけで、別にそういう事をする気もなかったじゃないか、と頭を横に振り必死に煩悩を消そうとした。 しかし肌がうっすら桃色に上気し、汗ばんだ彼女を見ているとまるで最中のようでムラムラする自分がいた。 (…あかん…煩悩が消えん) 『…柔造?』 とうとう我慢出来ずに、柔造はパンツに自分の膝の上に座るようぽんぽんと膝を叩く。 何の戸惑いもなく、嬉しそうに自分の膝に座る彼女に罪悪感を感じながらも、その白いうなじに吸い付いた。 『っ、ふふ、くすぐったいよ』 最初は肩を強張らせ笑っているパンツだったが、丹念に吸い付いてくる柔造にふざけている訳ではないと覚(さと)った。 『ん、じゅ、ぞ…』 最初はうなじに吸い付いていた柔造だが、ワンピースの肩紐をずらし、少しずつ下へ下へと移動する。 『んぅ、うっ』 パンツは声を出すまいと、今にも血が出そうなくらい強く唇を噛み、声を押し殺した。 こうしていつも彼女は自然に出てしまうはずの、その声が恥ずかしいのか懸命に押し殺している。そんな姿も柔造にとってはすごくそそるものなのだが、今日はなんとしても彼女の快楽に溺れる声を聴きたい。 「…なあ、パンツ。声出しい?」 すーっと柔造は彼女のワンピースを捲り、その柔らかい太ももを撫でる。 『――ん、んっ』 彼女は目に涙を溜め、ふるふると首を横に振る。 「…お前の声、聴きたいねん」 耳朶を甘噛みしながら、そう囁けば 『ひゃあ、あぁっ』 今まで頑なに閉じていた口は簡単に開き、そこから彼女の甘い声が漏れる。 今まで彼女と何度も体を重ねてきた柔造だが、彼女が耳が弱いというのは初耳だった。そうと分かれば―、と柔造の口元が自然に弧を描く。 くちゅくちゅと彼女の耳の穴に舌を何度も出し入れさせ、そこを重点的に攻める。すると今まで聴いた事のない彼女の艶っぽい声が次から次へと出てくる。 今、家には誰も居ない。観念したのか、我慢の限界なのか彼女も惜し気もなく声を出す。 「……っ、」 そんな彼女の声を聴き、柔造が興奮しないはずもなく、ごくりと口の中の生唾を飲むと、とうとう畳にパンツを押し倒した。 『ん、…じゅぅぞ?』 「…堪忍な。もう止まらんのや」 鳴かせてみよう、 (それから体を重ねる度に柔造は彼女の耳を必ず攻めるようになったとか) |