『ねぇ』



普段滅多に見せない深刻な顔をしたパンツが、塾にいた燐や勝呂達に話しかけた。それまで明るく談笑していた燐達だが、真剣な表情に変わる。


「どうした?」



『…………男はやっぱり胸大きい方が良いもんなの?』



「「「……は?」」」



あまりに予想外れの言葉に間抜けな声が教室に響き渡る。が、それも一瞬のことで、すぐにざわめきだした。


「なななに言ってんのや!!?」

「そりゃ、男のロマンつまってますよー!!!巨乳押しですえ」

「そうだよな!!女はおっぱいでけぇ方が良いよな!!」


「奥村君志摩さん…パンツさん?」
『…………死ね、アホども』


うわぁあああん!!と声を上げたパンツに燐達は動揺を露にした。子猫丸と勝呂に関しては、冷たい目で燐と志摩を見ている。



「泣かへんといてーパンツちゃん!」

「そっそうだぞ!パンツ!!」


『…ぐすっ…やっぱり男はそういう生き物なわけ!?勝呂!子猫!』

「は!?いいいや、俺はちい、さいのでも…べべっ別に気にせぇへんわ!!」

「人それぞれですよ」


『うっうわぁあああん!!マトモなのもいたよぉおおお!!』



今度は感激の涙を流すパンツ。えぐっえぐっと啜り泣くパンツに志摩が今度は控えめに発言する。


「パンツちゃんは、なんでそないな事聞いたんですかー?」


『………無いから』


ポツリと呟いたパンツの言葉に、察した志摩達はなんとも言えない表情になったが、ここで一人空気の読めない奴がいた。



「何が?」



『……あたしの胸だよォオオ!!この能天気野郎!!!』



むぎゅ


「確かにねぇな」



「「「!!」」」
『ひっ、ひぎゃああああ!!?』



いきなり背後から伸びた手が、パンツの胸を鷲掴みにした。皆の顔が呆然となる。(唯一志摩だけがにやけ顔に変わっていたが) パンツの何度目かも分からない叫び声が教室中に響き渡った。




『…しゅ…シュラ先生!?』

「にゃははは」



パッと後ろを振り返ればにやにやしたシュラが立っていた。パンツの目がシュラの顔から段々と下に降りていく。



『神様は不公平だ…!!』


突如地面に崩れ落ちるパンツ。その全身からは負のオーラが立ち込めていて、もう話し掛けようとする勇者は誰もいなかった。シュラの気の抜けた笑い声が木霊した。




***





授業が終わり、皆が帰っていくなか、パンツは一人机にうつ伏せになったまま動かなかった。相当さっきの言葉が堪えていたのだ。



『……うー…』



やっぱり胸は大きい方が良いんだな…地味に努力してるのに…一応Bにランクアップしたんだから!!と、そんなことを思いながら、うじうじしていると、ふと影がかかる。



「パンツ」


『!!燐…?』



顔を上げると、燐が一人立っていた。



「お前まだそんな事悩んでたのかよ?」

『…そんな事って、女の子には命に変わる重大な問題なんだからね。燐だって……胸おっきい方が良いって言ったじゃん』

「……好きな女なら別にどうでもいいだろ」

『……』

「小さかったら、育てる楽しみもあるからな!」


そう言って、いきなりパンツの胸に手を伸ばした燐。本日二度目の出来事に最早声もでない。


『……り、…り…ッ!!』

「ははは!!顔真っ赤だぜ?俺に任しとけ!!おっぱい大きくしてやるからな!ほら、帰るぞ」



そう言って、手を伸ばす燐の手をパンツは仕方なく取ることにした。まぁ今のは燐なりのフォローだったのだろう。胸のことは、もういいや…とそんな事を思いながら。




ちいさい胸につまる夢



***
補足:燐と内緒で付き合ってたり。
めぐみちゃん主宰おっぱい企画に提出!!







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