05


 








「6人まとめてオレが相手してやらァ!!」

『なんであたしまで…っ』


作戦会議が終わるや否や走り出すナツ。片手には何故かハルを掴んで。そしてハルはちゃっかりアイスを抱えていた。





「待てよ、ナツ!せめてハルは置いていけ!」


後を追う羽目となったグレイやエルザに続き、ルーシィも嫌々泣きながら走り始める。



「勝手に突っ走るな!」

「エルザもオレに先とられんのが嫌なんだろ?」

「何だと!?」

「ひっ…」


あまりの剣幕に飛び上がるとそのまま崖から落ちていくナツ……とハル。



『ナツ!手ェ離してよー』

「悪ィ〜!!」























「いってぇ…」

『最悪……ん?』


ふらふらと走っていくと大きな影がハルたちを覆う。グレイたちも追い付き空を見上げると、魔道爆撃艇クルスティーナが空を飛んでいた。

誰もが巨大な爆撃艇に期待したその時。











――ボゴォオオ


「クルスティーナが!?」



攻撃を受けるクリスティーナ。あまりに突然の出来事に目を見開く面々。




『「……っ…」』


鼻をひくつかせるハルとナツが、目を鋭くし周囲を警戒し始める。





「おい…」

『うん』

「誰か来たぞ!気ィ抜くなよ!」


グレイの呼びかけに身構える。爆炎の中から現れたのは、まさに探していた六魔将軍(オラシオンセイス)だった。







「ふん…。蛆どもが…、群がりおって」

『………』


ブレインの一言に眉を寄せるハル。あからさまに怒っているのが見てとれる。



「まさかそっちから現れるとはな…」

『誰が蛆?人間何ですけど…』


エルザに続くハルを見て、ナツとグレイがにやりと笑った。



「おい」

「ああ、うちの姫様もご立腹だしな」

「「探す手間が省けたぜェ!!」」


同時に飛び出す二人だったが背後に現れたレーサーに容易に蹴り飛ばされてしまう。

次々とやられていく連合軍のメンバー。



「速ェことは良いことだ…なっ!?」

『……ちっ…』

「レーサー、油断するな」


レーサーの背後をとったハルが蹴りを入れようとするが、コブラの乱入に素早く距離をとる。



「こいつが水竜(ウンディーネ)だ。」

『…なんで?』

「聞こえてんだよ、全部な」


「はぁああ!!」

エルザがコブラに仕掛けるも、全てを容易に避けていた。





『……わけわかんないっ』

「わからなくて良い。おまえも速く地に伏せろ!」

『…っ…』


レーサーの攻撃を何とか受け止めるハルだが、彼は再び仕掛けてくる。



『……ぅあ…っ』

「…な、に?」


腹部を蹴ったレーサーの足がハルの細い腕に掴まれ、自由に動かせない。ふっと笑ったハルの周囲を冷気が漂う。



『水竜の…煌氷』

「がぁあ!?」


自慢の足を氷付けにされ地面に落ちたレーサーに、ハルは軽く舌を出し挑発した。

『地に伏せるのも速いんだね、レーサーは』

「このガキが…っ」



ハルの足はすでに頭であるブレインに向く。


『…っ…!?』

「ピーリピーリ」

素早く飛び退けば、目の前には二匹の人形のような生き物。



「水竜のコピーが欲しいゾ」

『……エンジェル』


不敵に笑うエンジェルを前に地を蹴ると、いっぱいに息を吸い込む。



『水竜の咆哮!!』

「……っ…」

何とか避けるエンジェルだが、それを見たハルはにっと笑った。はっとしたエンジェルがその先を見れば、立っていたのは頭であるブレイン。


ハルの狙いは最初から彼だったのだ。









 



人気急上昇中のBL小説
BL小説 BLove
- ナノ -