04


 







見ればアイスやハッピーのような白い猫がウェンディの側に立っていた。


「シャルル…着いてきたの?」

「当然よ!あなたひとりじゃ不安でしょうがないもの」



シャルルという猫が現れて何故かもじもじとし始めるハッピー。どうやら一目惚れをしてしまったようす。アイスは呆れたようにため息をついていた。





「あ、あの…私、戦闘は全然出来ませんけど…皆さんの役に立つサポートの魔法を…っ、いっぱい使えます…!だから…だから、仲間外れにしないでくださぁい…っ!」


わたわたとしながら訴えるウェンディに唖然とする一同。シャルルだけはそんな弱気なウェンディに活を入れていた。





『ウェンディ…だっけ?』

「は、はい!!」


今まで黙っていたハルがアイスを肩に乗せたまま、ウェンディの元に歩み寄る。座り込む彼女に合わせるよう、しゃがみこむとハル特有のふわりとした笑みを浮かべた。



『仲間外れになんてしないよー!』

頭を撫でると安心したように表情を緩めるウェンディ。


「年下の私が言うのも変だけど…可愛い人だね、シャルル」

「ふん、それなりにいい女じゃない。貴女が妖精女王(ティターニア)?」


『あ、自己紹介がまだだったね』と笑うハルは、肩に乗せていたアイスを自分の膝へとおろす。



『あたしは妖精の尻尾(フェアリーテイル)のハル・ジュール、この子は相棒のアイス!よろしくね』

「ハル…さん?」

『うん?』


目を見開くウェンディに笑みを浮かべたまま首をかしげた。



「滅竜(ドラゴン)…ひゃあ!?」

『…?』


何かを言いかけたウェンディを青い天馬のトライメンズがさっきと同じようにもてなしをし始める。




『…なんだったんだろうね』

「………」


ぽつりと呟くハルの視線はナツへと微笑みかけるウェンディへと向いたままだった。





「ふぅん…。あの娘、なんという匂い(パルファム)だ?ただ者ではないな…」

「気づいたか、一夜殿。あれはわしらとは何か違う魔力だ。エルザ殿も気づいておるようだな…」


ウェンディの異様さに気づいた一夜にジュラが答えながらも、辺りを見回す。エルザと並ぶ、それ以上の魔道士にも関わらず、へらっと笑うハルを見たときには、思わず笑みを漏らしながら。



























今回の作戦の説明を始める一夜。


ここから北には樹海が広がっており、そこには古代人によって封印されている強大な破壊魔法・ニルヴァーナがあるという。

六魔将軍(オラシオンセイス)が樹海に集結した理由が、それを手に入れるためだと続ける。そしてこれはそれを阻止するための連合だと。




「こっちは13人、敵は6人。」

「だけど侮っちゃいけない。」

「この6人がまたとんでもなく強いんだ。」


ヒビキが手を伸ばすと宙に浮かぶ画面。それを操作する彼にジュラたちが感嘆をあげた。



「古文書(アーカイブ)…」

「これも珍しい魔法だな」

「初めて見ましたわ」


「これは最近になって漸く手に入れた奴らの映像だ」



目の前に現れるいくつかの画面。順にヒビキが説明をくれる。


毒蛇を遣う魔道士・コブラ、スピード系の魔法を使うとされる・レーサー、お金のためならなんでもすると云われる・天眼のホットアイ、心を覗ける女・エンジェル、情報がない謎の男・ミッドナイト。そして彼らをまとめるブレイン。



「彼らは単独でギルドひとつを潰せる力を持っている」

『……へぇ』


興味深そうなハルに呆れるのは怖がるルーシィだった。










 



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