03


 








「……リオン…っ」

「フェアリーテイル…!」

「おまえもギルドに入ったのか!」


ガルナ島の一件、デリオラを復活させようとした首謀者、そしてグレイの兄弟子であるリオンとの再会に複雑な表情をするフェアリーテイル。



『…あのときあんま顔見てなかったからなぁ』

「……だよな」


ぽつりと暢気に呟くハルとアイス。




「私も居ましてよ?」

「なんであたしーっ!?」


突然動き出した絨毯に襲われるルーシィを目で追う。宙を舞う絨毯の隙間から見えたのは不敵に笑うシェリーの姿。



徐々に険悪なムードとなりつつある様子に、さすがのハルものほほんと見物するわけにもいかず…。





『やめなよ…』

「ハルは黙ってろ」

『……なっ、何その言い方!?』


グレイの言葉にむっと声をあげるハルに、アイスが呆れたようにため息をつく。止めに入った本人が興奮してしまっては仕方がないのだ。







「水竜(ウンディーネ)殿の言う通りだ!!」

『………』


リオンたちの後ろから現れたのは見上げるほどの巨漢で、ハルは訝しげに眉を寄せる。




「ジュラさん!」

『ジュラ?』


聞いたことのある名前に首をかしげると、またもやルーシィが興奮気味に声をあげた。



「ジュラって…岩鉄のジュラ!?聖十大魔道のひとりの…っ」

『……聖十大魔道のジュラ』


意外に『へぇ…』と好戦的な視線を送るハルに気づいたルーシィが、慌てて彼女を制しに駆け寄る。





「ブルーペガサスは4人、フェアリーテイルは5人でしたわね?水竜がいて5人?私たちは3人でこと足りますわよ」

「…なんであたしに言うのよ」


「おいらたちも戦力にいれてよぉ」

「………」



シェリーの言葉に涙を流すハッピーと黙りこむアイス。

『よしよし…』


二匹の頭を苦笑しながら優しく撫でるハルだった。






「これで残りは化猫の宿(ケットシェルター)の者たちだけだな」

「者たちといっても、ひとりだけだと聞きました」


エルザに返す一夜の言葉にルーシィは頭を抱えて騒ぎ出す。

「こんな危険な任務にひとりってどんだけヤバいやつがくるのよぉ〜!?」

『エルザみたいな?』

「言うようになったな、ハル…」


笑うに笑えないグレイの突っ込みを受けながらも、聞こえた足音に視線を入り口へと移した。







「うわぁ…っ」



――ビターン


『…………』



盛大に転けた藍色の長い髪を持つ小さな少女に目をまるくする。全員が彼女を見た頃には、ゆっくりと立ち上がり服を払っていた。


もじもじとしながら上目遣いに面々を見上げる少女。



「化猫の宿から来ました…。ウェンディ・マーベルです。……よろしくお願いします」




「女…?」

「子供!?」

「お子ちゃま…」

「驚いたな…。この子が…」


「これで全てのギルドが揃った。」

「話進めるのかよ!?」



口々に呟く彼らをジュラが平然と締める。が、そうもいかない。




「それにしても…」

「この大掛かりな作戦にこんなお子さまひとりを寄越すなんて…。化猫の宿はどういうおつもりですの?」





「アーラ。ひとりじゃないわよ?ケバいお姉さん」



シェリーが訝しげに眉を寄せれば、再び新たな声がかかった。










 



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