05


 






『ジュビアってすごいね…』

「え?」


グレイの腕の中から起き上がるハルに目をまるくするジュビア。大男に攻撃を仕掛けられた三人は、グレイの造った身代わりを置き様子をうかがっていた。ジュビアの体の中で守られていた二人は、ルーシィが来たと同時に出てくる。



『体が水になるとかあたし出来ない!物理攻撃は効かないってこと?』

「え、ええ…」

『へぇ〜、すごいね!じゃああたしジュビアに勝てないかも』

「「(…それはないと思う)」」


至って本気で言うハルにグレイとルーシィが苦笑する中、ジュビアは水竜に誉められたとあってひとり嬉しそうに微笑んでいた。




『……ナツの臭い』

「え?」





「うおおぉおぉ!!!!」


「ナツ!!」



途端炎が噴き出した場所へ駆け寄れば口を開けて、ぎゃあぎゃあ騒ぐナツの姿。


「普通口ん中に撃つかァ?痛ぇだろうが!!」

「「(普通なら死ぬって)」」



『ナツ!エルザとアイスとハッピーが…!行こっ』「おう!!」


走り出す二人に「ちょっと…!」とルーシィが声をかけるが、そんなことで止まる二人ではない。


「グレイ!」

「大丈夫だ、あいつらの鼻は異常なほどいいんだからな!俺たちも行くぞ!」

「はい!」


































「……ぅっ…」

『………。』


海を渡る5人の足はもちろん船。乗り物に弱いナツとハルは背を擦られながらも、すでに意識が遠のいていた。



「ハルも乗り物に弱いのね…。それよりこっちで合ってるの?」

『あたしらこんなだけど、大丈夫…合ってるよ。』

「あ、そうだよね」

慌てるルーシィに苦笑するハル。向かう先に見えるのは怪しげな塔が立つ島だった。


『あそこにエルザたちが…』



ジュビアの力で船を水でカモフラージュし島へと近づく。ドーム状に船を覆うそれをじっと見上げるハル。


『あたしも、こうゆう魔法覚えよっかな…』

「なっ、どうした!?ハル!」

『?』

「おまえがんなこと言い出すなんて…っ」

「あんたたち、ハルをなんだと思ってるのよ…」


わたわたと騒ぎ出すグレイとナツに、ルーシィが呆れたように呟いた。




























「見張りが多いな…」

『今ジュビアが海の中を…』


――ザバッ



「グレイ様、ハル。海中に中へと通じる穴を見つけました。」

『おおー』


思わず感心するハル。ジュビアが造り出した空気を閉じ込めた水の球を頭に被ると、一同は海へと飛び込みジュビアのあとを追った。













―――ザバァン…



『ぷは…っ』

「ほら」

『ありがと、ナツ』


差し出される手を掴み水から上がるハルは、ジュビアの造った水の球を被っていなかった。

「ハルってば息持つ時間長いのね…」


ルーシィの言葉に少しむっといた表情を向けるハル。



『これでもあたしだって水の滅竜魔導士だもん!』

「え…あ、そうだよね!」

『……忘れてたの?』

「あは…あはは」


笑って誤魔化すルーシィにふいっとそっぽを向くハルを見ていたジュビアは、にやにやと勝ち誇った表情をしていた。







まだ見ぬ本気








 




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