04











「ハル。」


ラクサスに言われたとおり、医務室で休息をとっているハルのもとへ、リサーナが顔を出す。

目元を擦りながら起き上がる少女が『どうしたの?』と問えば、彼女は言いづらそうに告げた。



「ルーシィが、王国兵に捕まっちゃったみたいなの。」

『ルーシィが?…なんで?』

「なんとかっていう計画の関係者として捕まっちゃったみたい…。この大会で優勝しないと、ルーシィは戻って来れないって…っ。」


「あたしもよく状況が掴めてないんだけど…。」と頭を抱えるリサーナに、ハルは構わずベッドを下りる。



「ハル!?」

『あたし、ルーシィを助けに行ってくる!』

「待って!相手は王国よ!?今までの相手とは違うの!!」


今にも飛び出しそうな少女を、何とか止めるリサーナ。ハルは小さな拳を握りしめると、その場に立ち尽くす。

相手は王国とは言えど、仲間を捕らえた敵。黙ってなどいられない。




『やっぱりあたし、行かなきゃ…っ。』






「その必要はない。」


その声に振り返れば、そこに立つのはジェラールだった。



『どーゆうこと。』

「もうマスターの指示でナツたちが動いてるの。」

『ナツって…、試合は!?』


思いも寄らない人選に、驚く少女に、リサーナは落ち着くよう答える。



「グレイとエルザとガジル、ジュビアとラクサスが出てるわ。」

「王国へはナツとウェンディ、ミラジェーンとエクシード3匹が向かっている。」

『…そっか。』


「ハルのことだ…。こうして止めに来なければ、ルーシィを助けに飛び出していくだろうと思ってはいたが…。」


「…はぁ。」とため息をつくジェラール。まるで本当の兄のような二人に、リサーナはくすっと微笑みながら言った。



「あたしたちは王国兵に怪しまれないように、応援するしかないの。」

『…じぃじはなんて?』

「ハルが勝手に動こうとするだろうから、応援席まで連れて来いって言われてるわ。」


そう言ってほほ笑むリサーナに、ハルは何も言えない。すべて行動はお見通しということだ。

ジェラールまで止めに来ている今、少女に逃げ場はない。



『わかった…、おとなしくラクサスたちの応援しとく。』

少しむすっとしたハルの様子に、二人の表情はふっと和らぐ。単純な彼女の反応に、こんな時だというのに思わず笑みがこぼれた。




















『…あたしも出たかったなぁ。』

「まだ言ってんのか?」


応援席でぼーっと画面を眺めながらも、ぽつりとこぼれる少女の本音。膝に座るアイスは飽きれたようにため息をつく。




「ハルってばどれだけ出たかったのかしら。」

「まぁ、それがハルだよ。」

同じくため息をつくリサーナに、レビィが苦笑しながらも答えた。



そんな仲間の視線に気づきもせず、ふと彼の言葉を思い出す。




"黙って見てろっ!!"


そう告げた彼は、今まさにジュビアと共に、リオン・シェリアを倒したところだった。

息の合ったチームプレイに、さすがの兄弟子も敵わなかったようす。



『……傷だらけじゃんか。』




他のメンバーも次々と他のギルドを倒していく。

ガジルがローグを、エルザがミネルバを、そしてラクサスがジュラを。


ついに残ったのはフェアリーテイルの5人と、セイバートゥースのスティングのみとなった。












「#エロ」のBL小説を読む
BL小説 BLove
- ナノ -