03








「止めんかぁあ!!!!」


「…っ、競技終了〜!!」

マカロフの怒号に慌てて流れるアナウンス。



「ハル!!」

途端に飛び出すナツとグレイ、ラクサス。


「ふん。興が冷めたわ。」

手に持っていたハルの身体を、まるでゴミのように投げ捨てる。




―――ドサッ


「ハル…っ。」

その小さな身体を受け止めるラクサス。


無様な姿だと笑うミネルバに、怒りを露わにするラクサスはハルをグレイへ手渡し前へ出る。

ナツも続いて出るが、それをエルザが止めた。



ミネルバの前にはスティング、オルガ、ルーファスが立ちふさがる。

「その目は何か?妾はルールにのっとり行ったまでよ。」


「最強だかフィオーレ一のギルドだか知らんが、一つだけ言っておく。」

「おめえらは一番怒らせちゃいけねえギルドを敵に回した…!!」

エルザとラクサスの怒りに震える声。ミネルバは構わず笑いながら告げる。



「勘違いしてもらっては困る。水竜をここまで脆く弱い人間にしたのは、そなたたちではないか。」

「ハルは弱かねえぞ!!」

「それがいけぬのだ。」

ナツの荒げる声に間髪いれずに応えた。


「妾は気負わぬ強き水竜と、対することを望んでおるぞ。」



それだけ言うとセイバートゥースは踵を返し去って行った。













「ハル!!」

『………。』


「冗談よせよ…!ハル!!!」






『……かはっ、…ぐれ…っ』


グレイの悲痛な叫びに、僅かながら腕の中で身じろぐハルだが、彼女の身体は上手く動かない。



「ウェンディ!!」

「はい!」


エルザの呼び声に慌ててウェンディが降りてくる。治癒魔法でハルの身体を処置するウェンディ。

ゆっくりと目を開けるハル。グレイを始めウェンディやナツ、エルザ、ルーシィ、そしてラクサスが彼女を心配そうに囲っていた。


「ハル!」

「しっかりしてください…っ!」

涙を浮かべるルーシィとウェンディに、ハルは笑みを浮かべる。



『だ…じょ、ぶ。あり、がと…。ウェン…ディ。』

「ハル、あいつに何か言われたのか!?」

「途中でおまえの魔力はまるで安定していなかったが…?」

ナツとエルザの言葉に、自分の不甲斐なさを思い出して眉を下げた。











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