03









"なら強くなるまでオレがおまえを護ってやるよ"


"……へっ?"


"どこにいてもオレがおまえを護ってやるからおまえは安心して誰かを護ればいい"






『……っ、…』

動かない身体。ハデスの攻撃を避けれたはずがない。しかしハルの身体にはいつになっても衝撃がこない。


「…あ……」

『……はぁ…っ』

目の前が明るい。ゆっくり目を開ければ、目の前には懐かしい光。



『……ぅ、…そ……っ』

「言っただろう…。」

その背中にぐっと熱くなる目元。


「オレがおまえを護ってやる、ってな…。」

紛れもない彼の姿に、唇を強く噛むも、流れ出る涙をこらえることは出来なかった。



「よく頑張ったな…」


溢れ出る想いに耐えきれず、ハルは彼の名を口にする。

『ら…くさ、す…っ』

「…よく頑張った。」


ぼろぼろと流れ出る涙を拭うこともせず、その背中を見上げた。



「少し休め…ハル。」

『あ…りが、と…』




―――ドサッ




































「次はレビィさんの番ですよ。」

「わ、私は大丈夫!それよりウェンディもそろそろ休まないと…」


ここはベースキャンプ。怪我だらけのメンバーをウェンディが次々と治癒していく。

「大丈夫です!天狼樹が治ってから、とっても調子が良くて!これがフェアリーテイルの力なんですねっ!」


ウェンディの言葉通り、アズマによって倒された天狼樹は何故か元のようにそびえ立っていた。





あの後、ラクサスの雷を力にナツたちは、見事ハデスを倒した。そしてハデスがやられたと知ったグリモアハートの兵たちは、あっという間に天狼島を出て行ったのだった。


「ギルダーツ!勝負しろっ!!」

「休ませろ。」

容赦無く片手でナツを地へと伏せさせるギルダーツ。彼もまたグリモアハートの副司令・ブルーノートと戦い、勝利をおさめていた。



「オレも…お、願いしま…す」

ぴくぴくと痙攣しながらウェンディの元へ並ぶナツ。彼の前にはガジルやビッグスロー、リリーなど、今回の戦いで傷を負った者が治癒を求めて並んでいた。


「…い、いつの間にか行列になっちゃったね。」

「大丈夫です!こんなときくらいしかお役に立てないですし!」

「無理しないのよ?」

シャルルの忠告に微笑みながらうなずくウェンディ。そこへかかるひとつの声。




『手伝うよ、ウェンディ。』

「…えっ、な…!?」


振り返ればふわりと微笑む特有の笑顔。




「ハルさんっ!?」

「目が覚めたのか!!」

「大丈夫!?」

次々と飛んでくる声にハルはけろりと笑いながら答える。


『なんかね、全然平気なんだよねぇ!なんでだろ?』

「へ、平気って…一体どんな身体してんのよ…っ」

苦笑するルーシィに構わずハルがウェンディの治癒を始めた。



「天狼樹のおかげということか…。」

「ありがとうございます!ハルさん!」

『ひとりで頑張らせてごめんねぇ?』

続けて並ぶガジルを治そうとすると、小さな影がハルの顔面へと飛び込んだ。



『…っぷ!?』

「ハル!!!」

『…あ、アイス?く、苦し…っ』

ぎゅっと抱きついて離れないアイスに、ハルはふわりと微笑みながら彼の背を優しく撫でた。












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