04










「……リサ…ナ…」

ナツたちの目の前に倒れこむ少女は紛れもないリサーナ。


「何、このネコ!てかエクシード!?」

「パンサーリリーだ。」

「なんだァ!?てめぇ!俺のネコにケチつけようってのか!!」

リサーナを知らないガジルはぎゃあぎゃあと騒ぐが、他の彼らはそれどころではない。




「そんなまさか…」

「なんで…リサーナが?」

「もしかしてエドラスのリサーナが…」

「こっちに来ちゃったわけ!?」



慌てるルーシィたちにリリーから視線を移すリサーナ。まっすぐに彼女を見つめていたナツと、視線が交わった。


「…あ…」

「ナツーーーっ!!!」

何も言えないナツに対して、リサーナは勢いよく抱きついた。ロープごとリリーを引っ張って。



「また…また会えた…っ!本物のナツに…!」

「……あ…」

あまりの驚きに開いた口がふさがらない。リサーナはそんな彼らに構わず、今度はハッピーを抱きしめる。


「私よ!リサーナよ!!」




「…ハル……」

アイスの呼び声にハルはゆっくり顔をあげる。信じられない光景に栗色の瞳は大きく開かれていた。


『あ、アイス…これ、夢?』



嬉しそうにエルザたちへと話しかけるリサーナ。その蒼い瞳が戸惑う少女をとらえた。


「っ……ハル!!!」

『……ぅわっ』

飛びついてきたリサーナにハルは、いまだに現状を信じられないでいる。



「ハルだ…っ!本物の…ハルだ…!!」

『…………』

「なんで、リサーナが…?」


放心状態のハルに見かねて、エルザが理由を問いただす。リサーナがここにいるはずがないのだ。彼女は2年前に死んだのだから。





「私…死んでなんかなかったの。2年前、私は気を失っているときアニマに吸い込まれたんだと思う…。」

「……アニマに?」

「エドラスで目が覚めたあたしは驚いた。みんな雰囲気は違ってたけど、私の知ってるみんながいたの。」

「なら…2年間、ずっとエドラスで…?」


眉を下げながら告げる真実に、驚きを隠せない。



「てかなんで初めてギルドで会ったとき、そう言わなかったんだよ!!」

「言えなかったんだ…」

苦しげに呟くリサーナにハルはピクリと反応する。


「私はエドラスのリサーナとして生きていく…、そう決めてたから…っ。もう二度とミラ姉たちを悲しませたくなんかなかった…だから、……っ!」

『……リサ、ナ…』


小さく呟くように呼ぶ声。震える声色にリサーナは身体を強張らせる。

『リ、リサーナ…っ、リサーナ!!』

「…ハル……っ」


ぎゅうっと抱きしめるハルにリサーナの目には涙が浮かぶ。




『やっと…見つけたっ!!』

「……っ!」



"あたしだって探すよ!見つけたときには安心するようにぎゅうって抱きしめてあげる!"



『おかえり、リサーナ…っ』

「ハル…ただいま…!」


涙ながらに抱きしめ合う二人を、頬を緩めながら見守るナツたち。



『ほら…、ミラとエルフマンにも会いにいかなきゃ!!早く二人に…っ』

「お、落ち着きなよ!!ハル!」


わたわたと慌てて立ち上がるハルに、リサーナは涙を流しながら声をあげて笑う。

この後、リサーナは再会を喜ぶ姉と兄に抱きしめられながら、泣きじゃくることとなる。






辛い別れと涙の再会











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