07
イノセンスを発動することなく隊員たちを倒していくハル。
「ゴムゴムの……花火!!」
空中から手足を使い隊員たちをのしていく。ハルは一瞬でマッキンリーの目の前に行くと、にっと妖しく微笑んだ。
「な……っ」
―――ゴッ……ズサアァアア
ハルの蹴りがマッキンリーの横腹に入り、地を滑り飛んでいく。
『……仲間に戦わせてばっか…、あんたも戦え!』
倒れたままのマッキンリーに背を向けルフィのもとへ戻るハル。そんな二人に目を見開くコニスたち。
「一瞬であのホワイトベレー部隊を…。青海から来た人たちはここでは戦闘能力が下がるのに…」
意気揚々と神の島へと向かうと声をあげるルフィをナミが止めるも、他の仲間も興味津々だ。
「ハル!あんたもいいの!?怖いのよ!?死んじゃうわよ!?」
『ルフィが行くって言い出したら聞かないんでしょ?それにあたし神様に興味あるんだ』
「ちょ…っ、あんたまで!?」
ぎゃあぎゃあ騒ぐナミを放って、ルフィとサンジは空島料理を、ウソップは備品をもらいに再びパガヤたちの家へと向かう。
残った4人は出航の準備を整え始めるがナミはまだ諦めていないのか、チョッパーを味方につけようとしていた。
『………出るの?』
「さっきコニスが来て錨を上げて待ってろって言ったんだ!」
『…コニスが?』
目を擦りながらあくびをするハルに、錨を上げるチョッパーが答える。『ふぅん』と軽い返事をしながらも、訝しげに浜辺を見つめた。
『神の島、行かない気?』
「あったりまえでしょ!?あたしもう行きたくないもの!!」
『……あたしたち、もう行くしか道はないみたいだけどね』
「何言っ……!?」
突然動き出すメリー号に5人は慌てて船体へしがみつく。船底の異変に気づいたゾロが切りかかると、超特急エビの固い甲羅も何とか切れ目が入った。
「いけそうだな…」
『……無駄みたい』
「…んだと?」
「超特急エビを倒しても代わりが来るってことよ」
ロビンの言葉どおりメリー号を追って来る数々の空魚。ゾロは舌打ちをすると黙って刀を鞘へと戻す。
『行けるみたいだね、神の島』
「なんであんたはそんな嬉しそうなのよ!!」
見えてくる森に頬を緩ますハルは、その表情のまま答える。
『あたし"神の使徒"って呼ばれてたんだ!だから神様に会ってみたくって』
「怖いのよ!?」
『いいよ!あたしが仕えるほどの器の持ち主かどうか、この目で確かめるのも悪くないし』
もうだめだ、と肩を落とすナミに笑いかけながらもだんだんと近づく神の島を見据えていた。
好奇心に勝るものなし
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