光に導かれて | ナノ

06

 





「何…っ!?」





―――ゴッ


「高いわよ!!」



ウェイバーは迷うことなくベレー帽をかぶった男に突っ込む。男は雲を滑り飛ばされた。


「はっ…、しまった!理不尽な多額請求につい…」

「「おい!」」



倒れた男に駆け寄る隊員たちをよそに、パガヤにウェイバーを返す。そしてあたりまえのように言い放った。


「みんな!逃げるわよ!」

「何でだよ!おまえ、ケンカ仕掛けたんじゃねぇのか!」

「神様ってやつとかかわるとヤバイのよ!ホントに!!」

『あいつ…、ムカつくもん』

「ハル!」



ゾロが今のナミの行動を問うと、パガヤが「公務執行妨害で第5級犯罪」だと答える。まだ5級だということにほっとするウソップにコニスが真剣な表情で訴えた。


「よくありません!第5級犯罪が適用された場合、ゴッドエネルの名に置いて"雲流し"の刑に……」

「"雲流し"?」



それはイコール死刑だと告げるコニスにナミたちは驚くが、ハルはじっと倒れたままの男を見る。


隊員たちが騒ぐなか、なんとか場をおさめようとさっきのは事故だと言い張るナミ。





『もう全員ぶっ飛ばせばよくない?』

「「ハル〜〜っ!!!?」」


けろりと言ってのける少女をナミとウソップが抑えるが、ルフィやゾロは最もだと戦闘体制に入る。が、パガヤが倒れた男の治療が先だと、隊員共々家へと移動を始めた。






「今のうちに逃げましょ!」

『………』

ナミの言葉にメリー号へ乗り込む一味だが、ルフィはその場を動こうとしない。


「なんで逃げるんだ。」

「だってあいつらヤバイのよ!?コニスたちだってあたしたちのせいで巻き込まれちゃうかもしれないし…っ」

「コニスは何も悪いことしてねぇだろ」

「そうだけど…っ」



変なところに強情なルフィに困り果てたナミを制し、ハルが前に出る。


「ハル…?」

『……行こうよ、ルフィ』

「おまえまで…」

『神の島…行くんじゃないの?』

「「ハル〜〜っ!!?」」



ハルの一言にぎゃあぎゃあ騒ぎ出すナミとウソップ。空色の瞳をじっとルフィに向けると、彼はにっと歯を見せ笑った。



「そうだな!」

『うん。……コニスたちに迷惑かけられ…』


「みなさん、逃げてください!」




その声に視線を向けるとコニスとパガヤを連れた男たち、ホワイトベレー部隊。


「やめなさい、お嬢さん。これ以上彼らに加担するような発言は」

『……ムカつくおっさん』

「今、なんと?」

『耳だけは良いみたいだね、ムカつくおっさんのくせに。その二人はあたしらと関係ないから、…あんたらまとめてかかって来なよ』



へらっと笑うハルにカッとなったホワイトベレー部隊隊長であるマッキンリーは、隊員たちに指示を出す。


『………』

彼らから放たれる矢を容易に避けるハルとルフィ。しかしその矢からは雲が伸び、そこには雲の道が出来ていた。



その上を走ってくる隊員たちを避けながら、ハルはマッキンリーの位置を確認する。にやりと笑いハルを見上げる彼に、目を細め睨み付けた。











 

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