04
『……はぁ…』
浜辺でぎゃあぎゃあ騒ぐウソップたちの声にため息をつく。ルフィはウェイバーを修理するパガヤの側を離れない。どうしても神の島(アッパーヤード)に行きたいようす。
「ん?なんだ?」
ルフィの声に立ち上がりメリー号から視線を向けると、変な格好をした男たちが歩いてきていた。
「そこの不審な船!止まれェ!」
「なんだァ?あいつら」
『てか動いてないし…』
嫌な予感に顔を歪めながら彼らを眺めていると、男たちは浜辺をほふく前進しながら近づいてくる。
「何でほふく前進してんだ、あいつら」
「わかんねぇ……、たぶん編隊だ!」
「えぇ!あれが変態か!!」
おかしな行動をする彼らに首をかしげるハルの頭をゾロがこつんとおす。
「……行くぞ」
『え、まじ…?』
「ふふ…おもしろそうじゃない」
船を降りる二人に嫌々ながらも続きルフィたちと合流することになった。
「全体…止まれ!!」
先頭の男の指示にピタリと止まる。そのまま立ち上がるとコニスやパガヤに例の挨拶(?)をした。
「「へそ!」」
「へそ!」
「どうも、へそ」
相変わらずの意味のわからなさに驚くルフィに、男は思っていたより丁寧な口調で告げる。
「貴方たちですね。青海からやってきた不法入国者7名というのは!」
「「「えぇ?」」」
「天の裁きにかけさせていただきます!!!」
『……7名?』
首をかしげるハルを放って男は続けるが、パガヤはその話が信じられず声をあげた。
「そんな!何かの間違いです…、彼らはそんな人たちじゃ…」
『………』
アマゾンのおかげで知らず知らずのうちに不法入国者となってしまった一味に、今700億エクストルを払えば罪を帳消しにできると教える男。
もちろん彼らが素直に応じるわけもなく、ぎゃあぎゃあ文句を並べる。
『ねぇロビン…7名ってどうゆうこと?』
「……きっと舞姫さんは船内にいたから彼らに情報が届いてないのよ」
『…あのときか……』
罪を償うことを促す男をスルーし、一味はナミの救出について話し始める。
『なんかあのおっさんめんどくさい…』
ぽつりと呟く声が聞こえたのか、咳払いをした男は一歩前へ出るとハルを見た。
「君は不法入国のリストに載っていない顔であるから、特に咎めるつもりはないが……君も彼らの仲間かい?」
『……は?んなの見れば…』
「…どうしたんだ?」
突然黙るハルにその場にいた全員が視線を向ける。少し悩んだあと、にこりと笑って言った。
『どうだろうね』
「「「はぁ!!?」」」
一味はもちろん目を見開くがハルは笑顔を絶やさず続ける。
『あたしは不法入国のリストに載ってないんだから、払わなくていいんでしょ?』
「そ…そうだが……」
『ならナミが帰ってきたら700万ベリー払っちゃいなよ!(払えたらの話だけど…)』
ハルの考えがわかった一味は少し戸惑いながらもうなずく。ルフィが黙っているはずもないが、ウソップが何とか彼を抑えていた。
ハルが仲間だと気づかれればプラス100万ベリー払わなければならなくなるからだ。
『(払わなくていいなら…そっちのがいいし)』
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