光に導かれて | ナノ

03

 




ロビンが渡した地図はこの島の地図であり、今いる場所の対岸にバツ印が示されていた。


ロビンの話によるとそこにジャヤのはみ出しもの"モンブラン・クリケット"が住んでいるらしい。夢を語り街を追い出された男が。




「よし、取り合えず会いに行ってみるか。」

ルフィの決断に一味は船を出した。


























「さっそく変なのに遭遇しちまったなァ」


見ればマシラとは違うが似たようなサルが乗った船が前から来ていた。マシラを蹴り飛ばしたと伝えればそのサル、ショウジョウはマイクを手に歌と言うより声で辺りの空気を揺らす。


その声によりメリー号の船体が崩れていくのをきっかけに、ナミの指示より船を走らせ、その場を凌いだ。





















「そろそろ地図の場所ね…」

「す、すっげぇ!!」


見えてきたのはベニヤ板に描かれた豪邸、の裏にある小さな家。ルフィは遠慮なく家に入り、ナミは外の木の机に置かれた絵本を見つけた。

「"うそつきノーランド"?」

「いかしたタイトルだぜっ!」




その絵本を読むナミにハルは黙って聞き入る。読み終えると同時に、ふと家を見上げた。眉をしかめたハルは黙って家へ入っていく。



そのとき…







「うわぁあ!?」

「ルフィ!!」


海をのぞいていたルフィが海へ落ち、それを助けに行こうとしたウソップの前に海から飛び出してきたのは、頭に栗を乗せた男だった。

サンジが相手にする間、ウソップがルフィを助けに潜る。銃を取り出した男に苦戦するサンジを見かねたゾロが駆け出すが、男は胸を押さえて倒れてしまった。



























「潜水病?」

「うん…、この人は体内の気泡が消える前に毎日毎日無茶な潜り方を続けてきたんだ…っ」

『……毎日』

「けど危険だよ…、場合によっては潜水病は死に至る病気だ」


ベッドに眠る頭に栗を乗せた男をじっと見るハルは、ちらっと部屋の中を眺める。不思議そうに首をかしげたとき、入り口からマシラとショウジョウが飛び込んできた。

「「おやっさん!!」」


ぎゃあぎゃあ騒ぐウソップとチョッパーだが、ルフィの言葉にマシラとショウジョウを説得し、何故か意気投合していた。








クリケットが目を覚ましルフィたちが話をしにいく中、ハルは外の丸太に腰をおろした。

『………変なの』


ぽつりと呟くハルの目の前でマシラとショウジョウの喧嘩が始まる。

それを眺めながらもう一度クリケットの家へと視線を向けた。同じように首をかしげるハルの視界に、クリケットが出てくるところが見える。



『……栗頭のおじさん!もう大丈夫なの?』

「ぶははっ、失礼な小娘だ!おれはもう問題ない…、マシラ!ショウジョウ!」


喧嘩をする二人に声をかける。

「おまえら、こいつらが好きか?」

「え…」

「どうしたんだ?」

きょとんとするハルに続いて、二人も首をかしげた。クリケットはにやりと笑い続ける。


「こいつら空島に行きてぇんだとよ」

「空島ァ?行くとしたら方法はあれしか…」

「けどこいつらだけじゃすぐ…」

「だからおれたちが手伝ってやるんだよ!」

『……ほんと!?空島はあるのか…っ?』


目を輝かせるハルにクリケットはふっと笑うとぽんっと頭を撫でた。





「おまえらみたいなバカは嫌いじゃねェ…」









 


prev | next



人気急上昇中のBL小説
BL小説 BLove
- ナノ -