05
マシラたちの本拠地であるだろうジャヤへ向かうことにした麦わらの一味。
『………』
着いた島の港には堂々と停められたいくつもの海賊船。ナミたちは上陸すべきじゃないと騒ぐがここで諦めるような一味ではなかった。
「何だかいろんなやつがいるなァ、ここは!」
「楽しそうな街だァ!」
『……なんか煙い…』
「あっはっは!!」
ルフィ、ゾロに続いてハルも船をおりると、騒がしい街を平然と歩いていく。
「無理よ…、あの二人がトラブルを起こさないで戻ってこれると思う?」
「ただでさえヤバそうな街だ…、ハルも常識知らずだからな…。限りなく不可能に近いな」
「それじゃだめなのよ…っ!待って、ルフィ、ゾロ!ハルー」
三人を追って飛び出してくるナミに気づいたハルは、かくんと首をかしげて迎えた。
『ナミも行くの?』
「何か起きてからじゃ遅いもの…」
『……?』
四人が歩く最中でも辺りでは普通に喧嘩や暴動が起こる。ナミがルフィに喧嘩をしないという誓いの言葉を言わせていると、目の前でへろへろな男が落馬した。
「見ろ、落馬した」
「あぁ、落馬したな」
『……チョッパー呼ぶ?』
平然とそれを眺める四人に落馬した男は立たせてほしいと頼み、ルフィとゾロに馬へと乗せてもらう。同じように倒れる馬も立たせると、お礼にとリンゴのかごを差し出した。
「お礼に…どうだい?」
「怪しすぎだ!いらねぇからさっさと行けよ…っ」
『……りんご……ギュルルル…』
「りんごじゃん!!」
お腹が鳴るも我慢する#ハル(^ω^)のとなりで遠慮なく手を伸ばしたルフィはそれを豪快にがぶりと食べてしまった。
―――ドガアァアン
「さっき変な男からりんごを受け取ったやつらが、それを食って5人とも爆発したんだ!!」
街中から聞こえるそれに、ナミが慌ててルフィの首を締める。が、食べてしまったものはもう出てこない。
「てめぇ、何のマネだ!!」
『……っ…』
すぐさま構えるゾロとハルに男はにやにやと笑う。
「いや、大丈夫だ…。ハズレだったら一口目であの世へ逝ってたさ。おまえ…、運がいいな……」
「一体何なのよ、この街!?」
「そんな怒んなよ」
「あんたねぇ、今意味なく殺されかけたのよ!?」
イライラを募らせ歩くナミとはうらはらにぶらぶらと足を動かす三人。ナミは相当頭に来ていた。
「うおぉぉおぉ!!!」
屋根の上から聞こえる雄叫びに、一瞬目を向けるがナミの呼び掛けに三人は黙って歩き始める。
「あいつ誰なんだ?」
「知りたくもねぇよ…」
街人の会話が耳に入る。
「とにかく関わらねぇことだよ、あの格闘チャンピオンには…」
「「…チャンピオン?」」
「なんで張り合おうとしてんのよ!!」
『あれがチャンピオン?…へぇ』
「ハルまで…っ!!こんな街でまともに情報なんて得られるのかしら…」
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