04
『……ルフィ?』
「げほっ…げほっ!!」
飛んできたのは紛れもないルフィで続いてゾロとサンジも船へと上がってきた。
「おい、おめぇら急いで逃げるぞ!」
「変なサルが追いかけてくるんだ!!」
「サル?今はカメだろ!!」
「「カメ!?」」
『……どうやってあのカメから?』
見ると巨大カメは口を開けたまま動きを止めていた。その間に脱して来たことに納得する待機人と巨大なカメに驚く三人。
「おまえらァ!!」
「うわっ、来た!!」
続いて海から現れたのはマシラで、メリー号の甲板にどしんと着地する。
「あのカメ…何か変じゃない?」
マシラに目もくれずカメを見るロビンの言葉に合わせるかのように、辺りは一瞬にして暗くなった。まるで
『…夜?』
「まさか…っ、まだそんな時間じゃないわ!」
時計を確認するナミが顔をあげると目を見開いてさっと顔を青くした。
「「「………っ…」」」
一味は目を見開き一時それに目を奪われる。
暗闇の中見える三体の巨人族より巨大な怪物に…。
「「ぎゃああぁあ!!!」」
さすがのルフィたちも慌てて船を漕ぎその場を退避する。船が進む中、ハルは今は見えなくなった空色の瞳をまるくして、その怪物を見つめていた。
突然の夜を抜け一味は船を止めていた。甲板では全員信じられないような表情で座り込む。
「ありえねぇ」
「あぁ…あのデカさはありえねぇ」
サンジはタバコに火をつけた。
「全く偉大なる航路ってとこは…、次から次へと不思議のオンパレードだ…っ!今日だって…」
「巨大ガリレオン船が降ってきたと思ったら…」
「記録指針の指針を空に奪われて…」
「妙なサルが現れて船を引き上げる…」
「でも、船ごと食っちゃうデケェカメにあって…」
「夜が来て…」
「最後は巨人族の何十倍もある大怪物!!」
「さすがにあれにはびびったねェ…どうも」
『………サル?』
階段に座るハルはいるはずのない人物を見つけた。
「「「………ん?」」」
それに気づいたルフィとゾロとサンジはサルこと、マシラを思いっきり蹴り飛ばす。
「出ていけェ!!」
「いい!?これからもしあたしたちが空へ行くと言うのならあの船に起こったことは、もしかしたらあたしたちにふりかかるかもしれないってことなの…っ!情報が命を左右するっていうのに…、何このガラクタ!!」
甲板に広がるのは三人が船から拾ってきたもので、錆びた剣や食器、生ダコが並んでいた。ろくな情報を得られなかったナミはそれを足蹴に三人へ説教をする。
「大変そうね」
「大変なのはこれからよ…本っ当バカばっかり!これで完全に行き先を失ったわ…」
階段を上るナミの先に座るロビンはクスッと微笑む。ハルは怒るナミを恐々眺めていた。
「はい…」
「え…、永久指針?これ…」
『さっき、サルのとこでロビンと一緒に見つけた…。何かの役に立つかなって…』
ハルの言葉にナミは涙を流しながら訴える。
「あたしの味方は二人だけ…っ」
「タコいるじゃねぇか!たこ焼きやろォ!!」
「………相当苦労してるのね」
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