03
『船、沈んじゃった…、情報どうやって得るんだ?』
「沈んだならサルベージよ!!」
意気込むナミとはうらはらにハルとチョッパーはかくんと首を傾げると、となりに座るロビンへと尋ねた。
「サルベージってなんだ?」
「沈没船の引き上げ作業のことよ。…あの船は無理ね。大きすぎるわ」
『ならどうすんの?』
ハルの言葉にナミはにっと自信満々に笑ってみせた。
その結果
「おまえは本当ムチャさすなァ!!あっはっは」
全身樽に覆われたルフィと上半身は樽を被ったゾロとサンジが船際に立つ。
どうやら彼ら自身が潜って情報を探ってくるという、いかにもナミらしいムチャな案だった。
『あたしも行ってみたい…』
「「だめ!!」」
『………』
呟いただけで即禁止されるハルはむすっとマスト下に座り込む。
「まだ完治してないだろ!無理しちゃだめだよ…っ」
「いくらあんたが強いっていったって、この危険な海に放り出せるわけないでしょ!?」
『………』
「おれらはいいのか、あっはっは」
笑ってばかりのルフィにナミが「健闘を祈ってるわ」と言うと、三人は勇敢にも海王類がうじゃうじゃいる偉大なる航路へ飛び込んだ。
『……ひま』
チョッパーはブレーキ係、ウソップは空気を送る係に抜擢されているため、ハルは一人マストに背を預けて空を見上げていた。
足に巻いてある包帯をさすりながら動きを確かめていると、妙な歌が聞こえてくる。
「サールベージ、サールベージ♪」
『何、あれ…』
サルの船首を持った大きな船はさっき空からの船が沈没した場所へと止まる。
唖然とするナミたちに最初は何か文句を並べていたが、ナミの上手い口まわしにその場を押さえることが出来たようだ。
「ボス!!ゆりかごを仕掛けにいったやつが海中で何者かにやられました!」
「何ーっ!?おまえらァ!!」
「「(やば…っ)」」
キッとナミたちを見るボスこと、自称サルベージ王のマシラにさっと顔を青くする。
「海の中に誰かいるぞー!気をつけろォ!!」
「「(…バカでよかった)」」
危ない場面は幾つもあったが何とか切り抜けてきたナミたちだが、海中からの救援を求める仲間の声にマシラはついに海へと潜っていってしまった。
『あのサル…泳げるんだ』
「いや、そこじゃねぇだろ!!」
ウソップがツッコミを入れるなか、何故か空気を送るホースが引っ張られる。
「……何だ?」
―――ザバアァン
「「「……なっ…!?」」」
現れたのは島のように巨大なカメで、その口の中にはあの沈没船がある。そして当然のようにメリー号から出るホースはその口の中へと繋がっていた。
『おっきい…カメ』
「あいつら食べられちまったのか!?」
「このままじゃこの船も海底へ引きずり込まれちゃうわね」
「今すぐホースを切って!!」
「「おまえは鬼か…ッ!!」」
と、そこに
―――ザバアァン
何かが飛んできた。
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