02
『……っ…!』
「なんで空から船が!?」
「いいから船に掴まれ!!」
メリー号の数倍大きな船が海へと落ちる衝撃で、辺りの海面は大きな波を起こす。
「これは夢だ!目を閉じて…もう一度開いたときには……ってガイコツ!!?」
「こっちに投げないで〜!!」
ぎゃあぎゃあ騒ぐウソップとナミとチョッパー。舵もとれず船に掴まるしかない一味は大きな揺れのなか、何とかそれぞれが耐え抜いた。
揺れもおさまり奇怪な現象に頭を悩ます一味。そんななかナミが大きな声をあげる。
「どうしたんだい、ナミさん?」
「記録指針(ログポース)が壊れちゃった!」
見ればナミの言葉どおり記録指針は空を指していた。
「どうなってんのよ…っ」
『……記録指針が指すとこには次の島があるんでしょ?』
「まさか…そんなわけ」
「いいえ、彼女の言うとおりよ」
ロビンの言葉に全員が彼女を見る。淡々と信じられない言葉を続けた。
「きっとより強力な磁力に指針を奪われたんだわ…。記録指針が指す方向には必ず島がある。…偉大なる航路(グランドライン)では記録指針を疑ったらだめ。ここは常識が通じない海…、身を持ってわかっているでしょう?航海士さん。今考えなきゃいけないのは記録指針の故障箇所じゃなく、空への行き方。情報が足りないわ」
「……っ」
『…ってことは、あるの?空に島が…』
「…正確には海があると言われているわ」
ロビンの推測に一気に騒ぎ出すルフィ。空島の存在を信じきれないナミは眉をひそめる。
「ハル!空島だぞっ!!」
『うん…っ、あたし空島行ってみたい!』
いつになく表情の明るいハルにルフィもにししと笑い嬉しそうだった。
ロビンが落ちてきたガイコツを修繕し200年前の海賊船だということがわかった。
「200年間も空をさ迷ってたのか!?」
『…どうやって空に行ったんだろうね』
「う〜ん…」
ハルの問いかけにも反応せず、記録指針を振りいまだ壊れたんじゃないかと疑うナミ。
「ハルー!!おまえも来いよーっ!」
落ちてきた船に飛びうつったルフィとウソップはぎゃあぎゃあと騒ぐ。
『あれ、何してんの?』
「冒険だって」
『……へぇ』
と、そんな中ナミの考えが変わったのかぐっと拳を握り言い放つ。
「今必要なのはロビンの言うとおり"情報"よ!あれだけ大きな船が行けたんだもの、この船が行けないはずがないわ!!」
『うん!!』
目を輝かせるハルの頭を優しく撫でると、落ちてきた船に視線を向ける。すると船は沈みルフィとウソップは溺れていた。
「あんたたち何してんのよーっ!!」
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