04
「お…重っ…」
全員分の荷物を引くルフィはうめきながらもなんとか進む。
じゃんけんで勝った人が全員分の荷物を運ぶという、おかしな勝負に見事勝ったのは言い出しっぺのルフィだった。
『……次の岩場で…休憩なんだよね?』
「ええ」
「おっ、岩場が見えたぞ!」
「めしー!!!!」
どこにそんな力が余っていたのか、最後尾を歩いていたはずのルフィはウソップの一言で、あっという間に走っていってしまった。
『…暑い』
「おれも…キツイぞ」
何とか歩くハルのとなりでゾロに引かれるチョッパーが呟く。他の仲間たちも相当疲れているようす。
「なんだ?戻ってきたぞ?」
「大変だ!!」
先に行ったはずのルフィが大声をあげてチョッパーを呼ぶ。
「トリが倒れてんだ!チョッパー診てくれ!」
「っ!おう!!」
さっきまでが嘘のように駆け出すチョッパー。ハルも向かおうと後に続こうとすれば、三人はビビに止められた。
「待って!!トリって…まさか」
「トリなんていねぇじゃねぇか」
「あれぇー?さっきは本当にいたんだ!」
『荷物…は?』
ハルの言葉に一味の視線は何枚かの羽が落ちている場所を見る。
「言っておくべきだったわ…。そのトリはワルサギといって、人間から食料を騙しとるトリなの…」
「そりゃサギじゃねぇか!」
「そう…サギなの」
呆然とする一味の先に悠々と水を飲むワルサギたちの姿。それをとらえたルフィは一番に駆け出した。
「返せっ!」
と言っても、もちろん返してはもらえず飛び立つワルサギを追いかける。
「待って!ルフィさん」
ビビが止めるもルフィはとどまることなく走っていってしまう。
「どうすんのよ!」
「こんな砂漠のど真ん中で水も食料も奪われちまうなんて」
岩影に座り込む一味のもとに、砂ぼこりをたてながらルフィ…とラクダが戻ってきた。しかも後ろに巨大な生き物を引き連れて。
「あれはサンドラ大トカゲ!!」
ビビの声にルフィの後ろを見ると確かに大きなトカゲが追いかけてきていた。
「アイツは問題起こす天才だな!」
「世話が焼けるやつだ」
立ち上がるゾロとサンジ、ラクダから降りたルフィがサンドラ大トカゲと向かい合う。
「ゴムゴムの…」
「龍…」
「肩肉…」
「「「巻きムチシュート!!!」」」
あっという間にやられてしまう大トカゲを見て、本来喜ぶはずのナミやウソップは表情を歪め、その大トカゲを見ていた。
「あの3人相手なんて敵ながら同情するわ…」
「本当だぜ…」
なんて話せたのも束の間。
―――ゴゴゴゴ…
背後で地響きがしたかと思うと、砂の中からもう一匹サンドラ大トカゲが出てきた。
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