04
『手配書…。』
「そーなの!ついにあたしまでっ!!」
愕然とするナミを横目に、手渡された手配書に目を通す。
"麦わらのルフィ"懸賞金3億ベリー
"海賊狩りのゾロ"懸賞金1億2千万ベリー
"悪魔の子ニコ・ロビン"懸賞金8000万ベリー
"狙撃の王そげキング"懸賞金3000万ベリー
"泥棒猫ナミ"懸賞金1600万ベリー
"わたあめ大好きチョッパー"懸賞金50ベリー
何より目を引くのは
"黒脚のサンジ"懸賞金7700万ベリー
手配書の写真が何故か手書きのスケッチとなっている。しかも、似せているようで全く似ていない。
そして、最後に
"桜花舞姫ハル"懸賞金2億7千万ベリー
『上がってるv』
嬉しげに笑うハルに鋭く突っ込むナミやココロ。
先ほどまで海軍の英雄ガープこと、ルフィの祖父がいたこと。今回は孫だから、という理由で見逃すと言われたこと、をナミから聞く。
総額懸賞金が8億超えとなった一味は、今後中将級がいつ来てもおかしくないと訴えるナミは涙目だ。
『そげキングにも懸賞金…。そういえばどこ行ったんだろう。』
「まだ気づいてないのね。」
本気で言っているのだろう少女に唖然とするナミ。そこへもう一枚あった手配書がハルの手からするっと落ちる。
そこには
"サイボーグフランキー"懸賞金4400万ベリー
共に戦ったフランキーのものだった。
先ほどフランキー一家の弟分たちが、慌てて持ってきたらしい。
懸賞金が懸けられたとあっては、フランキーも首を狙われることになったということだ。それを心配してのことだった。
もともと自分で作った船に乗り最果てまで航海することご夢だったフランキー。此度一味の船を新たに作ると名乗りを上げた彼を、そのまま仲間に入れてくれれば、一味にとって必要だった船大工も仲間になり、一家の弟分たちも自分たちと一緒にいるよりはマシだと考えた様。
『いいじゃん、フランキー。けど船作ってくれるの?』
「あっ、そーなの!!」
どうやらフランキーが一味から奪った2億で買った宝樹アダムとやらで、新たな海賊船を作ってくれると、わざわざ頭を下げに来たそうだ。
もちろんそんないい条件を断るはずもなく。
さらにはアクアラグナに流されたと思っていた荷物も、全て無事に戻ってきたとのこと。
とんとん拍子で進む出来事に、ハルはきょとんと目をまるくする。
『こわいくらいだ…。』
と、思わず苦笑してしまうのだった。
新しい船の完成待ち3日目―――
「"記録"がたまった!!"記録指針"が次の島を指してる!」
「んじゃ後は乗る船だな!楽しみだ!」
力比べをして遊ぶゾロとチョッパーの横で、ハルはかくんと首をかしげる。
『次はどんな島?』
「…なんだか少し下を向いてるみたい。」
「んががが…そりゃそうさ。次の島は海底の楽園"魚人島"らよ!」
二人のやりとりに、ココロが笑いながら答えてくれる。興奮を露わにするサンジ。鼻息荒く何やら夢をみているようだ。
比べてナミは大きなため息。
「魚人島か…複雑。」
「そうだなァ、お前の村の事があるからな…。」
『魚人…悪いやつ?』
「でもまァ…ありゃ魚人っつっても"海賊"だろ。」
ゾロは心配そうに尋ねるハルの頭をぽんぽんと撫でる。ナミもまた「みんながみんなそうじゃない…って信じたいわ。」と笑いかけた。
prev |
next