06
『W7(ウォーターセブン)…って?』
船は錨をおろしたまま。ルフィとロビンはまだ意識を取り戻さない。
そう尋ねるハルも先ほどまでは、ロビンの側についていた。
「W7?おれらに聞いてわかるわけねぇだろ。」
「おまえと一緒にすんなよ!」
「ならわかんのか?」
「知らん!」
周囲の番をしていたゾロとウソップ。もちろん彼らが知るわけがなく、ハルは軽くため息をつく。
「そのW7ってやつ、誰に聞いたんだ?」
ウソップの問いに小さく『青雉…。』と答えれば、二人は目を見開いた。
「何つってたんだ!?」
『…綺麗だからって見惚れて、うつつを抜かしてたらやられるぞ…って。』
「ひぃいいぃい!!」
「……誰にだよ。」
悲鳴をあげるウソップとは違い冷静に呟くゾロ。その声にわからないとでも言うように首を振る。
『次の島がW7なんだって。』
「他には何も言ってなかったのか?」
『これが最大限だって言ってた。あいつ…悪いやつには見えないよね。』
不思議そうなハル。ゾロは納得いかないのか、眉をひそめ彼女を見る。
「あったりめぇだろ!?おれらが海賊、あいつは海軍なんだから!」
『…たしかにそーだ。』
ウソップのツッコミに思わず笑うハルは、 困った様子。
『あたし海賊だったね。』
『忘れてた。』と笑う彼女と同じくけらけらと笑うウソップ。ゾロは何も言わず考え込んでいる。
『やられる…って、どーゆうことだろ?』
その日にルフィとロビンが目を覚ますことはなかった。
不安のみがのこる
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