光に導かれて | ナノ

05

 









「参った、はめられた。」

そう呟くのは凍ったルフィの前に座る青雉。


「一騎討ちを承けちまったからには、この勝負おれの勝ちでそれまで。…そういうことか。




これ以上他のやつらに手を出せば、ヤボはおれだわな、キャプテン。」



凍りづけのルフィはもちろん何とも答えない。拳を突き出したままの彼に笑いながら問う。


「それとも、本気でおれに勝つ気でいたのか?」

やはり返事はないまま、すっと立ち上がった。




「これだけは言っとくぞ。おまえらはこの先、あの女を必ずもて余す。ニコ・ロビンと言う女の、生まれついた星の狂暴性をおまえたちは背負いきれなくなる。あの女を船に乗せるということは、そうゆうことなんだ。」







『もて余すかどうかはあたしらが決めることだろ…。』

「……早かったでないの、舞姫ちゃん。」


背後からの返答にがしがしと頭をかく。振り向けば思った通りの人物が、空色の瞳を鋭く向けていた。



「大丈夫だって、キャプテンは生きてる。ニコ・ロビンと同じ状況だ。」

『…ルフィが生きてなかったら、あたしがあんたをどーかしてた。』

「言ってくれるでないの。」


背を向ける青雉にハルはゆっくりルフィへ近づく。



「キャプテンに救われたな」

『…あんた、ほんとにあたしたちの敵か?』

「あんたらが海賊でおれが海兵であるかぎりは、敵でしょうよ。」


その答えに眉を寄せるハルは納得がいかない様子。そんな少女に気づいたのか、上着を肩にかけながら続ける。



「これはおれからの最大限の忠告だ。ここの記録(ログ)をたどれば、次の島はW7(ウォーターセブン)、水の都。綺麗だ、なんてうつつを抜かしてると、あっという間にやられちまうぞ。」

『…どーゆうこと?』

「これが最大限。おれは舞姫ちゃんが気に入ったんでね。だから教えてやったんだ。せいぜい気をつけなさいや。」


遠くなる背中に疑問符を残しながらも、ハルは氷付けにされ冷たくなったルフィを抱えイノセンスを発動させた。









 

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