03
「……っ!?」
「ぐ…」
それぞれ肘と膝を抑える二人は、地に倒れこみうめき声をあげる。
青雉はロビンへ近づくとそのまま覆い被さるように抱き締めた。
「アイスタイム…」
「……あ…っ…」
『!?』
あっという間の出来事に、ハルは目を見開いた。
目の前には倒れこむゾロとサンジ。そして全身氷付けと化したロビン。
「ロビン!!」
ルフィの叫ぶ声に現実なんだと思い知らされる。
「安心しな、まだ生きてる。しかしまぁ…砕けちまったら……」
『や…』
「やめろぉおお!!」
―――ブンッ
「…ハァ…ハァ」
大きく振られた青雉の腕は宙をきり、彼の側には氷付けのロビンを抱えたルフィの姿。
なんとか回避したが、青雉はすかさずルフィもろともロビンを踏み割ろうと足を上げた。
「ぐぇっ…」
「………」
青雉の足に踏まれたのはルフィのみ。ロビンはあの一瞬のうちに、ウソップが連れ去っていた。
「うおぉおお!!」
歓喜の声をあげるウソップに、ルフィは踏まれたまま声をあげる。
「ウソップ、チョッパー!そのまま船に走れ!ロビンを助けるんだ!!」
「「おう!!」」
そのまま船へと走る二人を見送り、ナミは青雉の前へ天候棒(クリマ・タクト)を手に立ちはだかる。
が、青雉の攻撃に簡単に尻餅をついてしまう。ゾロとサンジが構える前に、ナミの前に立つ影。
「やっと能力見せてくれる気になったのか?」
『……見たいなら見せてやる。』
光を纏うカラダに面白そうに笑う。
ハルが繰り出す蹴りを素早く避けながら、彼女を掴もうと手を伸ばした。
「聞いといてよかったねぇ…。自然系(ロギア)にも当たるんだって?嬢ちゃんの攻撃は。」
『…知ってても避けれなかったら一緒だ』
「……なっ…」
目の前の少女は一瞬で消え去り、あっという間に背後をとられる。
――ゴッ
「…やるねぇ、嬢ちゃん」
『……』
うまく決まったはずの蹴りに、青雉は平然と笑ってみせた。全力ではないとしても、普通なら息が出来なくなるほどの衝撃を与えるはずのそれに。
「覇気ってわけじゃあ…なさそうだな」
『……はき?』
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