05
二回戦、グロッキーリング
出場者
麦わら海賊団
ゾロ、サンジ、ハル
フォクシー海賊団
ハンバーグ、ピクルス、ビッグパン
ルールとしては、頭にボールを乗せたボールマンを敵陣のリングへ入れたら勝利という単純なもの。
巨人と魚人のハーフであるビッグパンは巨人族ほどではないがかなりの巨体であり、彼の頭上にはサイズの大きなボールが乗せられていた。
『向こうのボールマンは巨人みたいだねぇ、こっちは…』
「ラブコックがやる」
「誰がこんなだせぇもん付けるかよ!!」
『………』
さっそく仲間割れを始める二人に挟まれるハルは、盛大なため息をつく。
『じゃあ、あたしがやるよ』
「「危ねぇからダメだ!」」
『………』
意見を容易に却下された上、なかなか決まらないボールマンにハルは頭につけるそれを手にサンジへ歩み寄る。
「…ハルちゃん?」
『よっ…』
背伸びをしながらサンジの頭へベルトを巻くと、へらっと笑いながら言った。
『うん、似合ってる』
「メロリーンvvv」
いつもより近い距離にサンジはあっという間にノックアウト。地に倒れ込み軽い痙攣を起こす。
「ハルのやつ、だいぶサンジの扱い方が上手くなってきたな…」
「あれで大丈夫かしら…」
苦笑するウソップと頭を抱えるナミ。ロビンはふふっと笑みを浮かべたのだった。
「では始めましょ〜う!」
イトミミズの声に辺りは観戦へと思考を変えた。
「第二ゲームはグロッキーリング!フォクシー海賊団からはこの競技最強のチーム、グロッキーモンスターズ!!」
何が面白いのか三人はゲラゲラと笑っている。実況によるとどうやらいつものことらしい。
「麦わら海賊団からは懸賞金6000万ベリーの剣士ゾロとコックサンジ、そして先ほどオヤビンに啖呵を切った少女!懸賞金1億3000万ベリーの"桜花舞姫"、ハル〜!!」
「「うおーお!!」」
一層盛り上がりをみせる会場。その盛り上がりの矛先はもちろん、待ちに待った少女の登場だから。
「舞姫ちゃーん!可愛いぞォ!」
「次こそおまえがほしいっ!」
「降参するなら今のうちだァ」
「怪我しちまうぞ!!」
ハルのことを思ってのヤジだろうが、当の本人はそれを余計なお世話として受け止める。
『黙っときな、割れ頭海賊団!』
「わ…割れ、頭…っ」
「オヤビン!?」
あまりの衝撃にずんと沈むフォクシーを放って、ハルはにっと余裕の笑みをみせる。
『この試合、5分で終わらせる…』
「な……」
「「ぎゃはははは!!!」」
あちこちから馬鹿にしたような下品な笑いが上がる。ハルの青筋がぴきっと現れたことに気がついたのは、側にいたゾロとサンジだけ。
「出来るもんならやってみろォ!」
「こっちのセリフだっての!」
「無理すんなよ!舞姫ちゃーん」
「まだまだガキなんだからよ!」
『…………』
こうした怒りを含めつつ、第二ゲームグロッキーリングは始まった。
prev |
next