05
「みなさーん、見えました!前方をご覧ください!雲の果て(クラウド・エンド)です!」
コニスの声に一味は前を見る。無事メリー号に乗り込んだハルたちは、コニスたちの案内で今まさに、空島を後にしようとしていた。
「へぇ、あそこから降りられんのか〜」
『……どこに繋がってるんだろ』
空島との別れを寂しがる一味。寂しがりながらもコニスやパガヤに別れを告げる。
「何から何までありがとな!」
ルフィの言葉にコニスは「いえっ」と、メリー号に並走しながら叫んだ。
「あたしたちの方こそ本当にありがとう!貴方たちのこと、一生忘れません!!」
『……ありがとう』
小さく呟いたハル。聞こえるはずのないそれだが、コニスはにこりと微笑んだ。
「それではみなさん。帆をたたんで船体にしがみついてくださ〜い!」
パガヤの指示に疑うことなく準備するナミたち。ハルが『しがみつく…?』と呟くも、彼らの雑踏に消されていた。
「さて、キャプテン!次の島への記録(ログ)もバッチリ!」
「あぁ、そうだ!ここを出たらまた、新しい冒険の日々が始まるんだー!!」
雲の果て(クラウドエンド)への門をくぐるメリー号。
「野郎ども!そんじゃあ…青海へ帰るぞォ!!」
「「おぉ!!」」
勢いよく坂を下るメリー号。ここでハルの不安は的中した。
「みなさん!落下中お気をつけてぇ!!」
「「落下中…?」」
一味の笑みが凍った直後、メリー号は宙へと飛び出し勢いよく落下する。空島で最後に見たのはコニスたちの笑顔、最後に聞いたのはやはり最後まで理解できなかった謎の挨拶だった。
「へそ!」
『…ぅあっ!?』
突然落下速度が落ちたかと思えば、メリー号を包む巨大なタコ。甲板へぶつかるハルたちは、風船のようにゆっくりと降下を始める船にほっとする。
―――ゴォオオーン…
『…この音』
―――ゴォオオーン…ゴォオオーン…
空の住民からの感謝の気持ちを含めた響き渡る鐘の音に一味は聞き惚れながら、降下を続けるのだった。
天使の歌声と共に
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