光に導かれて | ナノ

04

 








シャンドラの遺跡内。宴で騒ぎ疲れ、そのまま寝てしまった空の住民たち。そんななか、こそこそと動き回る黒い影がひとつ。



――バシッパシッ


「なに…よ。」

寝ているナミの肩を叩く黒い影は船長であるルフィで。


「おい、黄金盗んで逃げるぞ!」

「黄金!?黄金があるのっ?」

"黄金"というワードにすぐ覚醒するナミだが、あまりの声の大きさにルフィと言い争いになる。



「っるせぇ!寝れねぇじゃねぇかァ!!」

その言い争い巻き込まれる形で一味は一気に騒がしくなり、眠っていた空の住民たちも次々と目を覚ました。


「…なんだ〜?」

「本当に宴が好きだな、青海人は…」

「4日連続だそ?あの元気さ、普通じゃないな…」









再びみんなが寝静まった後、一味は頭を寄せ合い密談をする。


「そうゆうことで…」

「よぉーし、野郎ども。滅多に来れねぇ空島だ。思い残すことのねぇようになっ!」

『ふわぁあ…』

あくびをするハルはいまいち把握が出来ないまま、首をかしげるのだった。


































『思い残すことがないように…って言われても』

アッパーヤードをふらふらと歩き回るハルは、やけに騒がしい一角を見つけた。


『あ、ロビンだ』



彼女は空の住民たちが引き上げた鐘楼の前に立ち尽くしている。


「海賊王…、彼も来たっていうの!?この空島に…。この文章の意味は一体…」

『ロビン…?』

様子のおかしいロビンを民衆に紛れて見つめる。


ガンフォールと幾らか話をしたロビンは、何かを真面目に考えているようだった。





『……何か話しかけにくいな。』


と、引き返そうとするが、視界に入ったあの光に目を開いた。

『あれは…』


黄金の鐘の側に確かに見える光。今まで幾度となく見てきたそれに、ハルは静かに後退る。

『……もう、いいよ。ノラの記憶をもらったから…っ』

「おい、嬢ちゃん!?」

シャンディアの声も聞かず、イノセンスを発動させると地を蹴りあっという間に、その場を後にした。



『もう…誰の過去も、盗み見みたいな真似、したくない…っ』



































「おい、ハル!何やってたんだァ?」


遺跡へ戻ると背中に大量の黄金を背負ったルフィたちが、まだかまだかと待っていた。

『すごいね、それ』

「大蛇の腹の中から見つけたんだぞ!」


王冠を嬉しそうに抱きしめるチョッパーに微笑む。サンジがくねくねと躍りながら何かを言っているが、今のハルには聞こえない。



『ノラの…。』

「ノラ?あの大蛇、ノラっていうのか?」

「てかなんでハルが知ってんだァ?」

『………』


黙り込むハルを不審げに見ていた四人。しかしすぐにその視線は遠くから歩いてくるロビンや、空の住民たちに向けられた。



「ぅおーい!ロビーン!」

「ロビンちゅわーんv」

「急げ急げ〜!逃げるぞ〜!」


空の住民たちと来たことに一味はバタバタと暴れ始める。黄金を盗んで逃げようとしているため、見つかると泥棒だと騒がれるからだ。

ロビンを呼び、走り出す一味に空の住民たちも追ってくる。逃げるなか、ゾロはうつむくハルをじっと見つめていた。







 

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