03










「三蔵!魔天経文を…!」

「やっぱ、それっきゃねぇか…っ!悟空、リク!奴の動きを止めておけ!!」

「「合点!!」」


如意棒と氷の剣を手にした二人は勢いよく飛び出す。


「相手にしてやるゼ!カニ星人!!」




―――ニャアー


「……っ、悟空!!」

足元の猫に気を取られた悟空に式神が襲いかかる。



『リク!!』

「わかってる!!」


式神の足をリクが切り落とすと同時に、小さな影が式神を殴り飛ばした。






―――ズシャ…


「な…」

きょとんとする悟空たち。何が起きたのかわからない状況に緊張感が走る。



―――チリン


泡を吹く式神と響く鈴の音。猫を抱える人物は小さな少女。



「危なかったね、お前。あはは、くすぐったいって!」


「お…女の子ォ!?」

「今の…この子が?」



驚きを隠せない一行に少女はびしっと指を差すと、にやっと笑った。


「"三蔵いっこぉ"やっとめっけ!!」

「えっ?」



「オイラは李厘!!紅孩児お兄ちゃんの代わりに君達をやっつけに来たよっっ」

『お兄ちゃん…?』

「…ってまさか」



「紅孩児の妹ぉ!?」


さらに知った驚きの事実にやはり彼らは驚きを隠せない。




「…だから死んでねv」


「って言われても…な。」

『…うーん。紅孩児の妹なの?』



こそこそと話す双子に李厘はぷくっとふくれっ面になる。

「そこ!術者は黙って待っときな!こいつらを片づけたら一緒にかえるんだからなっっ」


「………」

『なんであたしたちは一緒に帰るの?』



きょとんとするハルと静かに考えるリク。李厘はもう何も答えない。




「もういーんだよ!とにかく三蔵いっこぉ!どっからでもかかってこいっっ!」


やはりびしっと指を差す李厘に、彼らは身動きすらとらない。何といっても相手は子ども。さらに女の子。

やりにくい相手には違いないのだ。








mae ato
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