02
「!!」
そう言って彼が指差したのは八戒。
「そんな偽善者面でごまかしてるけど、罪人の目をしてるじゃないですか。」
「……っ」
「腹に傷を持ってますね?それが貴方の罪の証だ。償いきれない程の…」
―――ばんっ
「…ッ、何者だてめぇ!?」
『ケンカ売ってんの!?』
机を強く叩く悟空とハル。清一色は顔色を変えること無く微笑む。
「我はただの易者ですよ。信用度の低い…ね。ククク」
「………」
キッと睨みつけるリクに対しても笑いかけると、手にした牌を彼らに見せる。
「我の牌は運命を語るんです…ほら。
【災いは汝らと共に】
ま、信じないのは勝手ですけどね…」
「それ、どーゆう…」
―――ドォンッ
突然の爆音に一行が振り向けば、突如町中に現れた巨大なモンスター。町中に悲鳴が響き渡る中、八戒が振り向くともうそこに清一色はいなかった。
『あのカニも刺客?』
「それはわからんが、奴の胸元の梵字…あれは"式神"の印だ。」
「式神!?あんなでかいのが!?」
巨大な式神は町の人々を容赦無く殺していく。
悟浄は手に錫杖を取り出すと暴れる式神へと攻撃するが……
―――ガキィ
「!!なッ…!」
跳ね返されたそれに一行は目を見開く。
「ちょっと待て!あんなに頑丈な式神がいるかよ!?」
「何でできてやがるんだ…?」
振り回す肢体に周囲の建物が崩れていく。間一髪でそれを避けるが、あまりの大きさと硬さに唖然とする。
「デカくて硬くて黒いなんて立派だねェ、ダンナv」
「…お前よくこの状況で下ネタ吐けるな。」
『今の下ネタなの?』
「殺すぞ、悟浄。」
目をまるくするハルに怒りを露わにするリク。思わず苦笑する悟浄は両手を挙げていた。