04

 




「最強最強ー!!」


ハイタッチを交わす悟空と悟浄。そんな彼らを三蔵は深刻な表情で見詰めていた。



――ガッ


「…まて…我らが同胞」



まだ息のあった妖怪が悟空の足を掴む。じっと見下ろす三人に妖怪はニヤリと笑いながら語りかけた。


「無力で傲慢な人間の肩を持つ裏切り者どもよ、貴様らの居場所はそこではないはずだ……今一度考え直すがいい…我らとともにとなえようではないか……妖怪国家万歳イィ!!ぎゃはははは、はぐうッ」


容赦なく三人にぐしゃりと頭を潰される妖怪。ハルは『うわっ…グロ』と小さく呟く。



「…つまんねェコトほざきやがるぜ」


もう動くことはない横たわる妖怪を見下ろし三人はにっと笑い、悟浄は続ける。


「"人間の味方"だ?……俺は生まれて死ぬまで俺だけの味方なんだよ」



三蔵は彼らの背中を見詰めふっと表情を崩す。そんな彼を見ていた双子はお互い顔を見合わせると嬉しそうに笑いあった。



















「おまえらのマホウってあんなことも出来たんだな…」

「『あんなこと?』」

きょとんとする双子に悟空と悟浄は顔を引きつらせながら続ける。


「ハルは窒息死させるし…」

「…リクは素手で倒しちまうし」



思い出したのか身体を震わせる二人に「あれね…」と、答えるリクはあんなことをした少年だとは思えないほど優しく笑った。




「あれも魔法で魔力を一気に手足に集中させることで成せる技なんだ…ハルは集中力ねぇから出来ねぇけど」

にやっと笑いながらとなりに目をやると案の定膨れっ面を浮かべる少女の姿。



「ま、俺は一対一向けなわけ!魔力で水を練って創った剣とか、体術とか…近距離じゃないと闘えねぇの!けどハルは遠距離・対複数派!三蔵の持つ銃みたいに弾を放てたり、さっきみたいに魔具で風を起こせたり……なっ!」


今度はあからさまにとなりを向き笑いかけると少女は嬉しそうに何度も頷く。なんとも単純だ。

「じゃあハルは近くじゃ闘えねぇの?」



けろりと言い放つ悟空にリクは頭を抱えるが既に遅く、ハルはむっとして噛みつく。




『近くでだって闘えるもん!』

「どうやって?」












『ちゅー』



















「「「「……………は?」」」」








 


mae ato
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