06

 






「…………わかった」

「『……へ?』」

「二人まとめて寺院においてやる…」

「『…………はぁ!?』」


突然の同意に驚く双子。もちろん二人だけではなく悟浄も口をポカーンと開けたままだ。悟空は驚くことより一人無邪気に喜んでいた。



「三蔵様ァ、どーゆー風の吹き回しですかァ?」

「黙れ……許可は取らねぇといけねェから今日はここに泊まれ」

「ボクらの言い分は無視ですかー」

『いやいや、あたしらの言い分が一番大事じゃん?』

「……まぁ、いいんじゃね?」

『ちょ…リク!』

「わーい!」


騒ぎだす一同に三蔵は耳もくれず目もくれず…音をたてて立ち上がるとドアの前に立つ。

「帰るぞ、悟空」

「おぅ!」

トコトコと三蔵の後ろにつく悟空は「じゃあな」と手をあげるとドアを閉めてそのまま帰っていってしまった。



『うっそだァ…』

ぽつりと呟くハルに苦笑しながらも新しいミルクを出してくれる八戒。


「まぁ、いいじゃないですか」

勝手に決められたのが気に食わないのかむすっとはぶてながらもミルクをちびちびと飲む。


「三蔵は貴方方のことを考えて寺院に向かい入れたんだと思いますよ」

『そりゃ…行くとこないけど…』

「それだけじゃねぇよ。」

『…リク?』



悟浄のタンスから好みの服をごそごそと探しながら口を挟むリクに首をかしげる。


「言ってたろ?この世界に魔法はないって。」

こくんとうなずくハルに気づいてか顔をあげるリクは片割れを一瞥すると、目の前に服を広げそれを眺める。




「だから"ホゴ"してくれんじゃねぇの??…この世界にない力を持つ俺らがいたらまた……同じことが繰り返される」

『……っ…』


目を見開いたハルは一時すると嬉しそうにはにかんだ。そんな彼女を笑顔で見るリクときょとんとした表情をする悟浄と八戒だった。






運命の出会い






 

mae ato
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