『あたし初めてしーちゃんが神様に見えたよ!!』
「なつめちゃんがそこまで言うなんて、はーさんに襲われでもしたの?」
何気なく言った紫呉の一言にその場はしーんと凍りつく。
「…え」
『まっさかー!何もなかったし!!しーちゃん考えすぎィ』
へらっと笑うなつめに「そ…そうだよね」と乾いた笑いをもらす紫呉。
「あ、チョコ持ってきたんだ!もみっちとはーくんの分もあるからねぇ」
『代わりにしーちゃんが届けに来たんだねー』
「だって折角のデートだし…そう!透君と由希君、夾君と楽羅でWデートしてるんだよ、今日!!」
「それは…意外だな」
紫呉の楽しそうな声に淡々とした口調で返すはとり。構わず嬉しそうに話続ける紫呉に同じく嬉しそうに聞くなつめ。
「もうアレだね!なつめちゃんが完璧に影響してるね!!」
紫呉の一言になつめはきょとんと首を傾げる。
『あたし?』
「そうそう!まるで二人の精神安定剤みたいだよねぇ。」
『何言ってんのー?しーちゃん、意味わかんないよ?』
言葉の意味を理解しきれていないなつめはうーんと頭を悩ませる。そんな彼女を見たはとりはふっと静かに微笑んだ。
「なつめにはわからないだろう…チョコありがたく貰っておくぞ。」
ここに来たときに渡したチョコを見せるとにっといたずらに笑った。
『透君のよりは不味いけどね!』
それだけ言うとさっさと部屋を出ていった。
それを見届けた紫呉とはとりはすっと真面目な表情へと変わる。
「満足そうだな…思惑通りに事が進んで」
煙草をふかしながら呟くはとりに紫呉はあきれたように答える。
「なにかなぁ…その噛み付いた言い方は」
「おまえも慊人も立派になつめと本田君をコマのように利用している…それぞれの目的と利得の為に。まぁ慊人は扱いきれてないようだがな…」
「なつめを利用するとはーさんったら怒っちゃうからなぁ。」
からかう紫呉にはとりは無言で煙草を灰皿に押しつけた。
「ところで…
……僕、なつめちゃんからチョコもらってないんだけど?」
操り人はダレ
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