『紅葉、ここ学校だから我慢しなよ』

「そーだ、場所を考えろっ」

「キョーだってどうせ毎日抱きしめてるんだろ!!





……なつめを」


「ばっ…///…誰がするか!そんな…っ」



「スキヤキ!(すきあり)」




夾が動揺した瞬間紅葉は透に抱きついた。

「わっ……」


――――ポンッ






「何?爆発!?」

「おい、どうしたっ………?」

慌てた生徒たちが仕切られたカーテンを開け放ち勢いよく飛び込んで来たため側にたっていたなつめにぶつかる。


『Σ……やばっ!?』

「Σげっ、なつめ!!」


――――ポンッ



再び爆発音(?)が響き生徒たちは何だ何だと騒ぎ出す。そこには唖然とする夾とちょこんと座り込む小さな白いライオン、透の腕の中には小さなうさぎが紅葉の着ていた制服と共に収まっていた。


「え、何?このライオンとそのウサギ、どこから来たの?」

「なつめちゃんと紅葉君は?」



騒ぎだす生徒たちに汗をだらだら流し固まる二人と一匹。


「これ草摩さんと紅葉君の服だよ?」

「変だよ、服だけ置いてどこに?」

「しかもどこから?」

おかしいと口々にもらす生徒たちをどう回避しようかと頭を悩ます三人。


「変すぎだ!何とか言えって本田さんっ」


「……変?」




その問いに答えたのはなつめでも夾でも透でもなく彼らの背後から聞こえたものだった。



「それなら俺だって…変だよ…男のくせにこんな……やっぱり似合わないよね……」

一段と輝きを放つ由希に男女問わずの生徒が声を発する。




「おまえは最高だ!草摩ーー!!!////」


由希の輝きにすぐ虜になった生徒たちはなつめたちから目をそらし女装姿の彼に目を奪われる。

その隙に夾はライオン姿のなつめと制服を透はうさぎ姿の紅葉を抱えてその場を離れるため屋上へ向かった。
























「このクソガキ!自分のした事わかってんのかっ!!」
怒鳴り散らす夾の隣でははとりが「一週間外出禁止だな」と冷静に言い放つ。


「だってぇ…二人が怖いよ〜トール〜」

いまだ透に抱きついたままの紅葉は甘えた声をあげる。



「ウサギさんだったのですね…」

『紅葉反省しなよー』


なつめは未だにライオンの姿のまましゃがむ透の隣に座り込む。




「なつめさんはライオンさんになってしまうのですね!!////」


『……え?…あ。』




ぴたりと動きを止める一同。なつめはゆっくりはとりの方へと向きを変えた。はとりは呆れたようにため息をつくと額に手をあてる。


「今回は紅葉のせいだ。俺から言っておこう…。」

『やった!ハリィ大好き!!』

「おい!聞き捨てならねぇ!」


ライオン姿のなつめがはとりに飛びつき、それを見た夾がぎゃあぎゃあ騒ぎだす。透は苦笑しながらそれを見ているしかなかった。








 


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