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「シャンク、ス」

心の動揺をおさえ自然と呼ぼうとした名前は声が震え不自然な呼び方になってしまった。あんなに呼び慣れたはずの名前なのに。
赤い髪の頭がこちらを振り向くまでのわずか2、3秒が永遠のような気がした。



「お前…、久しぶりだなぁ」

昔よりもはるかに老けた顔。だけどその笑顔は二十年近くたった今でも変わらなくて私も思わず笑顔になった。


「ちょっと老けたんじゃない?」

「お前こそ老けたんじゃないか?」

「レディにむかって老けたなんて失礼よ」

こんなことを笑いながら言い合える異性なんてシャンクス以外いない。それがうれしくてくすぐったくて私は声をあげて笑った。

だけど彼の右手が私の髪に触れて一瞬にして声がでなくなる。


「嘘だ。綺麗になったよ」

こんなふうにドキドキできる異性なんてシャンクス以外いない。それがもどかしくて苦しかった。
貴方は覚えているのかしら遠い昔にした約束を。






「いつか俺、海賊になる!」

「私は、…うーん何になろう」

「お前は…俺の嫁でいいだろ!」

「えっ!?」

「…嫌か?」

「ううん!私いつかシャンクスのお嫁さんになるよ」






幼いころ交わした口約束を今の今まで引きずって恋愛1つできずにこの歳になってしまった私を貴方は笑うだろうか。


「ねえ、シャンクス」

「うん?」

「好き、大好き」







たとえ約束を忘れていても

笑われたとしても

変わらない事実

貴方を愛してる




企画サイト絶対振り向かせてみせる!様に提出
ありがとうございました

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