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「おい、ナマエ」

「なんですか?」

「なんで俺が話し掛けるとあからさまに嫌な顔すんだよ〜、もっと笑えよ。な?」

そう言ってニカッと笑うエース隊長はずるい。
いつもひまさえあれば私にちょっかいを出して私の心を簡単に奪っていったずるい人。




「私にかまってるひまあったら彼女のとこ行ったらどうですか?」

「な!彼女じゃねえし!つうかなんでナマエが知ってんだよ!」

「さあ、なんででしょう」

わかるに決まってる、だってずっとエース隊長だけを見てたんだもん。
そんなの嫌でもわかるよ。



「スゲーナマエって鋭いんだな!」

「そんなことないですよ」
(ただあなたが鈍いだけ)



「なあ、俺どうしたらいいと思う?」

「どうもしなければいいんじゃないですか」

「冷てーなあ」


アドバイスなんてできるわけない、だってエース隊長がフラれればいいなんて思ってる。
(私の心は真っ黒)

最低なこと思ってるってわかってる。だけど、うまくいってほしいなんて絶対に思えないから。





「まあ、俺はお前のそんなところも好きだけどな」

「!!」

「妹みたいで」


そう言って笑う隊長に泣きたくなった。なんて残酷な台詞、私は妹にしか見られてなかったようだ。






涙を隠すために私も笑う。私の笑顔を見てエース隊長はさらに笑う。

そんな穏やかな時間、空は今にも泣き出しそうだった。





まるで私の心


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