Phantom | ナノ





すごい長い時間が経った気がするのに東の空はまだ明るくならない。
どうしよう、この奇妙な沈黙が気持ち悪い。この沈黙をやぶってくれるなら適船に襲われてもかまわない。まあ、この白ひげ海賊団の船を襲ってくる無知なやつらがいればの話だが。



私はとうとうこの沈黙に堪えられなくなって無言でその場を離れようとした、途端にまた握られた右手。

「どこ行くんだよい?」

「部屋、戻るんです」

そう言えばマルコ隊長も立ち上がった。
そのまま右手を引っ張られ船内へと連れられついた先はマルコ隊長の部屋。

「ここマルコ隊長の部屋じゃないですか」

「そうだよい」

「私は自分の部屋に戻りたいんです!」


マルコ隊長はそんなことわかってるとでも言いたげに私を見下ろし、無言でドアを開くと私をベッドへと放りなげ後ろ手に鍵を閉めた。

私は内心またか、とため息をつく。



「隊長、ずっと言おうと思ってたんですけど女の子をエッチに誘う時はもう少し優しくしてあげたほうがいいですよ?」

「そうかい。余計なお世話どうもありがとよい」

そう言いながら私に覆いかぶさり無理矢理脱がそうとするマルコ隊長の下から一瞬のスキを狙って抜け出し。


「いつまでも何もわからない純粋な少女じゃないんですよ」

私の台詞にマルコ隊長は夜中だというのに声をあげて笑った。


「ハッ、もとから純粋ではなかっただろい」

「そうでしたかね?もう寝ます。おやすみなさいマルコ隊長」

私は鍵をはずし外に出た。部屋の中からはマルコ隊長の笑い声が聞こえていた。





変わってしまった2人

少女はあの頃には戻れない


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