「あっ!」

しばらく歩いていると海岸に停泊している一隻の船を見つけた。


「よ、よかったー!」

誰もいないから異世界にでも来ちゃったのかと思ったよ(まあそんなことありえないけどね!)とりあえず、みんなも心配してるだろうし早くみんなのところに帰らなきゃ!
そうと決まれば早速船の人に道を聞こう!


「すみませーん!」

「ああ?」

「あ、なんでもありません。失礼しました」

な、な、ななんか人相めっちゃ悪い人でてきたけど?しかもなんかすごまれたけど?私何か悪いことしました?

「おい」

「ひいぃぃっ!」

肩をつかまれぐるりと体を反転させられる。近くで見れば見るほど悪い顔をしていた(『や』のつく職業の方の船だったのかー!)

「へえ、なかなかじゃねえか」

「あ、どうもって何が!?」

流れで受け答えしちゃったけど主語ないとわかんないから!

「久しぶりの女だ、みんなでじっくり味わわせてもらうぜ」

その男の言葉の意味を理解し体中から血の気がひいた。



「うぎょわおえぇ!!いやだあぁぁ!!!」」

「うるせえ!!静かにしねえと屍で犯すぞ!」

「えぇぇ!?それもやだぁ!!てか死体とヤるとかお兄さん悪趣味!!」

「ごちゃごちゃ言ってねえでさっさと来い!」

腕を痛いほど引っ張られる。わわわ、!本格的にまずい!



「手、放してやれよ」

タイミングよく(まるで特撮もののヒーローのようだ)背後から声が聞こえ、私と男は同時に振り返った。

そこには鮮やかなオレンジ色のテンガロンハットをかぶった男が立っていた。

「お前は!」

「お、俺を知ってんのか。そりゃどーも」

オレンジのテンガロンハットをかぶった男はゆっくりとこちらにやってきた。


「来るんじゃねえ!!」

男はナイフをテンガロンハットの男にふりかざした。

「あ!あぶな…」

私が叫ぶ間もなく男は吹っ飛んだ。そしてテンガロンハットの男は私の手を握るとそのまま船を離れるように私が来た方とは反対側へ走っていった。





ある程度走ったところでテンガロンハットの男は足を止めた。

「大丈夫か?怪我しなかったか?」

にこりと笑ったその顔に私はなぜか見覚えがあった。





ヒーローの登場

はて?どこで見たんだっけ?




しおり

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