「いやぁ、実に有意義なパーティーだったね!」


あの魔法に少し手を加えて次は、なんて騒ぐジェームズ。あのパーティーから数日、モップを片手にジェームズは変わらず喋り続けている。俺は俺で箒を持っているものの、柄に両手を付き、柱に寄りかかっている。

あれからだいぶマクゴナガルの怒りは収まったものの、無罪放免とは上手い事行かず、校舎の外れにあるもう何十年と機能してないであろうトイレの掃除を言い渡された。ちなみにマグル式で。そしてまたこのトイレの広さといったらない。誰がわざわざこんなトイレとしたら無駄に広い物を作り始めたのか。先は見えるが暗雲で曇ると思っていても、ジェームズには関係無いようだ。うだうだ始まる口上に、視界の端にネズミが映った。本当に手が入っていたないんだと改めて感じた。

ジェームズが未だにパーティーの話をしていて、それにつられて思いにふける。確かにうまくいったと思う。ただ広間から立ち去る際に見た淡い光が蛍のように舞い落ちる様はハロウィンよりクリスマスに近いかもしれない。

振り返ったあの時に見えた、彼女の横顔。眩しげに視線をさ迷わせ、空中に差し出された手のひらが受け止めたのは小さなキャンディだった。手を寄せてそれを見つめた瞳は細められ、緩やかに笑みを浮かべるその表情に一瞬足が止まった。うっすらと桃色に染まる頬を、優しげに細められた瞳が、それを縁取る長いまつげが、はにかむように口角の上がる唇に、思わず見入ってしまっていた自分を思い出して頭を振った。





(これはまさか思っていたより重症かもしれない)















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