■ ミッドナイト・イレイザー


*同期組と飲んだ後







「ねぇねぇ、名前ちゃん。最近イレイザーと仲良いみたいじゃない」

「え?そうですか...?」

「そうよぉ!この間だって家で飲んでたし」

「いやいや、あれはミッドナイト先生もいたじゃないですか」

「後からだけどね。でも珍しいことよ」

「はぁ...。一応、後輩だからですかね?」

「あらぁ、何その反応。恋愛脳が死んでるんじゃない?」

「しん...。いや、確かに縁遠い話ですけど...」

「ま、こうも仕事と家の往復じゃあしょうがないわよね」

「そうそう。それですよ。第一私、ミッドナイト先生みたいな大人の女性ってタイプでもないですし」

「あら、ありがとう。でも好みは人それぞれよ」

「それはそうですけどね...」

「結構気に入られてると思うのよねぇ。ねぇ、本当に何もないの?」

「何も...」

「あったのね」

「いや、無いです。ほんと無いです」

「怪しいわね」

「いやいや、無いですって。それに相澤先生に失礼ですよ。私なんかじゃ」

「ダメよ、自分を卑下しちゃ。名前ちゃんは十分とってもかわいいわ。小 動 物 み た い で 」

「あれ、私何かミッドナイト先生の加虐心を煽るようなことしましたっけ」

「そんな怯えた目をしないで。大丈夫、優しく聞いてあげるから」

「何の話ですか!?」




「あんまり廊下で騒がないでくれませんかね」




「あっ、相澤せんせぇ...!」

「あらイレイザーじゃない、タイミング悪いわね」

「すいませんね。ミッドナイト先生、次授業なんじゃないんですか」

「あらいけない、そうだったわ。またね、名前ちゃん。続きは今度じっくり聞かせてもらうから」

「ちょ、本当になんでもないんですってばー...!」

「......どうかしたのか?」

「いえ...、この間の飲み会でミッドナイト先生が来るまでのことを聞かれていただけなんですけど...」

「何かあったか...?」

「何もなかった、と、思うのですが...」

「どうした」

「いえ、単純にあの時の自分が恥ずかしいというか...」

「そんなことないだろ」

「あるんです...!酔っ払っちゃったし、休みとはいえ次の日までお酒残っちゃったし...!」

「あー...」

「否定がない!」

「無駄な嘘は言わないんでね」

「無駄な嘘!気遣いではなく」

「つかってただろ」

「う...。たしかにつかわれました...。釘刺してくれていたのに面目ないです」

「そこか?」

「そこにしておいてください」

「苗字の言う事は理解しがたいね」

「...恥ずかしさからの逃避ですのでお気になさらず」

「ま、掘り起こされたくないならミッドナイト先生に捕まらんよう気をつけることだな」

「はぁ...保健室引きこもろうかな...」




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