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どこまでも続く階段に嫌気がさし膝に手をついて呼吸を整え顔を上げると眩い星空に囲まれた空間に立っていた
足元に何かあるわけでもなく宙に立っているような感覚に恐怖すら覚えるがやっと目的の場所についたような気がする
「おや、随分おかしな場所から来たようですね」
脳内に直接響くような声にあたりを見渡すと見たこともない白いポケモンが佇んでいる。これが神様…?あ、お守りと同じ形してる
「ここに人が訪れるのは随分と久しいです。何かわたしに用ですか?」
『あなたが神様?それならノボリさんを元の時代に返して欲しいの!』
この人!とクダリに借りた2人仲良く並んだ写真を見せると少し覗き込むような素振りを見せ頷いてくれる
「彼は1度諦めかけていましたが貴方が導いたのですね。この時代に貴方を送って正解でした」
え、と声が溢れると神様の横に黒く禍々しい渦。時空の歪みが現れそこにはまだ服がボロボロになる前のノボリさんの姿と、その周りを駆け回る子どもたちの姿が映し出されている
「彼を連れ戻したければ渦の中に手を入れなさい。もし貴方が元の時代に戻りたければ入れ代わりに入ればいい」
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