ついに、塔へと昇格してしまった。
勉強机とベッドの間、以前は僕の裁縫道具が置いてあった場所に、なにやら塔が建設された。少し触れようものなら今にも崩れ落ちそうな塔は、忌々しさとものすごい存在感で、僕の部屋を占拠している。

築きはじめの数週間こそ、僕はそれをなんだか気恥ずかしい気持にすらなって眺めていた。それは他でもない彼によって積み上げられたもので、彼のものが部屋に増えることが、僕は素直に嬉しかった。や、馬鹿だったんだな、今思えば。柄にもなく舞い上がっていたし、さらに柄にもなく愛しさばかりが頭を身体中を駆け巡っていた。
月曜日。
きょうもまたこの塔は高くなるんだろうか。まったくもって不快だな。

「ねえ、」
「まった、あとちょっとナルト読んだら」
「ねえったら」
「わ、やべ。ちょっと雨竜、先週の取って」
「先週のと言わず、もう全部君にあげるよ。どうにかしてよ」
「気が向いたらね」

はいはいそうですか。
言ってもわからない居候に、先週のそれを投げつけた。











20080124
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