この男は。ああどうしてこんなにも無防備で、こんなにも隙が無い。机に向かい伏せた目蓋。頬を支える細い手首。不意に晒される首筋。どれもがあまりに無防備なのに、そのどれもが俺を試しているようで。腕を伸ばしたい衝動だけが、空回りする。
触れてはいけないのだろうか、その肌に。

「いつまでそうしている」
「さァな」
「触れたければ触れればいい。意気地がないのだ、いつだってお前は」










20061001
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