これは夢だろう。

風が吹いている。
心地いい、緑の風。
遠くであいつが何か言っているけれど、風がことばをさらっていくので、ちっとも聞こえない。
だけど。あんなに嬉しそうに笑うあいつは初めてだから。きっときっとこの瞬間、しあわせをいっぱい胸に抱いているんだろう。

「バカなイオン。嬉しいのはボクのほうなのに。」

ボクはうまく笑えただろうか?
ことばはきっと風がさらうから。この気持ちだけでも、あいつに届いたらいいな。










title/白群

110622
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