寝たふり。
シャーペンのかちかち、消ゴムのがさがさ、黒板消しのひゅうひゅう。すきでもきらいでもない授業中、机に突っ伏せて寝たふり。心地のいいざわざわの中に、坊と子猫さんの声を見つけてそっと耳を澄ます。
(奥村くんの話かぁ。なんやかんや、ふたりとも奥村くん好きなんやろなぁ。)
まるでお父んかお母んのように奥村くんを気にかけてる二人がおかしくてそっと盗み見ると、ちょうど、坊の後ろ姿が見える。ふわっふわの髪の隙間からちらりとのぞく坊の耳には、日曜にプレゼントしたピアスが控えめに、だけれど確実にそこにあって。
(わああ、あかん。直視できん。)
恥ずかしすぎてまた寝たふり。
ざわざわとやかましい教室のなかで、今度は坊の声だけがやさしく響いている。










title/蘇生

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