(エドワードとパーシー)

「君はこどもだよ、どこまでも。無邪気で、さみしくて、悲劇のヒロイン。自分勝手で、それでいて甘やかされたがる。だから僕は、君がほしい言葉をそっと囁いてやる。君がほしいから。狡いおとなだよ。最低だろ、僕は。」

普段から思っていたことだけど、口に出した途端に後悔していた。昨日は、かなり頭にきていた。何に、と聞かれれば、それこそこどもっぽい理由で、狡いおとなぶっている自分に嫌気がさす。「エドワードはずるくなんてない。僕はトーマスがすきで、エドワードはやさしい。それだけでしょう?」そう言って抱きついてくるパーシーは、自分よりよほど、上手に狡いんじゃないかと思う。

「ほらね。やっぱりやさしいよ、エドワードは」

とびきりの笑顔で見上げてくるから、おでこにそっとキスを落として、煩わしい嫉妬の種はどこかへ投げてしまうことにした。








title/白群
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テーマ「人外ファンタジー」
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